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東本願寺「阿弥陀堂」を覆う巨大な屋根を解体

工事用の素屋根が移動し、6年ぶりに姿を現しました

素屋根が移動し屋根瓦のふき替えなどを終えた阿弥陀堂が姿を現しました

屋根瓦約10万枚のふき替えなどを終えて、全体像を見せた阿弥陀堂

 

大林組は、真宗大谷派の本山、東本願寺(京都市下京区)境内で、阿弥陀(あみだ)堂の修復作業に使用していた素屋根(すやね)を解体しています。

 

解体前の素屋根に覆われた阿弥陀堂(左)。この素屋根は隣接する御影堂(右)の改修でも使用したもので、2009年、移動させ再利用してきました

解体前の素屋根に覆われた阿弥陀堂(左)。この素屋根は隣接する御影堂(右)の改修でも使用したもので、2009年、移動させ再利用してきました

東本願寺は、1602(慶長7)年、徳川家康から京都六条に敷地の寄進を受けて建立されました。阿弥陀堂は、御本尊・阿弥陀如来像を安置する本堂です。

1895(明治28)年、15年の歳月をかけて建立された阿弥陀堂は、宗祖・親鸞聖人七百五十回御遠忌法要の特別記念事業の一つとして、2012年から修復工事が進められています。

素屋根は、修復作業で露出する屋根面などの木部を風雨から守る仮設構造物で、全天候下で作業ができ、瓦、木材などを加工・保管する場所でもあります。

もともと阿弥陀堂の素屋根は、隣接する御影(ごえい)堂(※1)修復のために、2004年、大林組がスライド工法(※2)で建設したものです。ブロックごとに組み立てては送るスライド工法は、文化財上空での鉄骨工事を避けられることに加え、組み立て用の敷地に余裕がないことから採用しました。

4月23日に1回目のスライドを開始し、全9回で素屋根を北から南へ約63m移動させました

 

重さ1600tの素屋根移動の動力には、4台の70tジャッキを採用。ジャッキでけん引する柱に変位計を搭載し、移動量を制御します

重さ1600tの素屋根移動の動力には、4台の70tジャッキを採用。ジャッキでけん引する柱に変位計を搭載し、移動量を制御しています

2つの建物の修復で使用した素屋根はその役目を終え、現在、撤去のため、構造物の下にローラーとレールを敷き、けん引ジャッキでスライドし解体しています。

今回のスライド工法による解体では、1回で移動させる距離を1ブロック分の約7mとし、南端となるブロックの屋根と壁から解体していきます。10日後に再びスライドして解体。そのサイクルを9回繰り返します。

阿弥陀堂のすべての素屋根が解体されるのは2015年9月、来年には内部の一般公開が再開される予定です。

大林組は、これからも伝統技術の保持と先端技術の開発に努め、日本が誇る文化・資産である歴史的建物を次の世代へ伝えてまいります。

阿弥陀堂の南側での解体。文化財が直下にない場所までスライドさせてから解体するため、建物を飛来や落下から守ることができ、安全かつ効率的に作業が進みます

阿弥陀堂の南側での解体。文化財が直下にない場所までスライドさせてから解体するため、建物を飛来や落下から守ることができ、安全かつ効率的に作業が進みます

 

 

 

※1 御影(ごえい)堂
1895(明治28)年に完成した宗祖・親鸞聖人の御真影(ごしんねい)を安置する真宗大谷派の中心となる建物。大きさは、南北76m、東西58m、高さ38mで世界最大級の木造建築物です

 

※2 スライド工法
大規模構造物の屋根などの上部構造物を建設する際に、あらかじめ作業しやすい地上で構造物を1ユニットずつ組み立てた後、順次端から平行移動して構築する方法です