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アクアジャスター®を搭載した水中インフラ点検ロボット「ディアグTM」を開発

水中での姿勢制御技術により、ぶれのない鮮明な映像を撮影します

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、アクアジャスター(※1)を搭載し、水中で鮮明な映像を撮影できる水中インフラ点検ロボット「ディアグ」を開発しました。

 

水中インフラ点検ロボット ディアグTM

 

日本のインフラは高度経済成長期に集中的に整備され、その多くは現在老朽化が進んでおり、ダムなどの構造物もその一つとして更新や長寿命化への対応が急がれています。ダムや護岸など水中構造物の補修工事においては、事前にひび割れの有無やその程度などを調査する必要があります。

 

従来は潜水士が水中に潜り、目視で点検し写真などを撮影していましたが、人による潜水作業には作業時間の制限や潜水深度に限界があることから、連続して安全に点検を行うロボットの開発が待ち望まれていました。

 

今回大林組が開発したディアグは、地上や船上からの遠隔操作が可能な水中点検用の無人潜水機(ROV:Remotely Operated Vehicle)です。機体にはジャイロ効果を利用した姿勢制御装置アクアジャスターを搭載していることで、水流による機体の揺れを抑え、ほぼ静止した状態で対象物を撮影することができます。

 

また、潜水士による点検では潜水深度約40mが限界でしたが、ディアグは100mまでの潜水が可能であり、水上からの電源供給により長時間動き続けることができます。

 

ディアグの構成

ディアグの構成

 

ディアグは国土交通省による公募「次世代社会インフラ用ロボット技術・ロボットシステム」に採択され、実証を重ねた結果、最高ランクの評価を獲得しました。

 

ディアグの特長は以下のとおりです。

 

  1. 水中での優れた姿勢制御および画像解析による鮮明な映像

    ディアグはアクアジャスターを搭載しているため、ジャイロ効果で水流による機体の揺れを抑え、ほぼ静止した状態で対象物を撮影することができます。また、機体のハイビジョンカメラで撮影した画像は、画像解析により水中の白色浮遊物などを自動で除去したうえでモニターに表示されるため、濁水の中でもリアルタイムで鮮明な映像を観ることが可能です。

  2.  

    画像解析前後の写真比較

     

  3. 地上や船上からの簡単な遠隔操作で安全な点検が可能

    潜水士による点検には作業時間の制限があり、例えば水深40mの場合、連続して作業を行えるのはほんの数分間です。潜水士は所定の休息を取りながら点検を進めることとなりますが、この作業にはどうしても潜水病(※2)の危険が伴います。

     

    一方、ディアグによる点検は、地上あるいは船上からコントローラーで機体を遠隔操作するためその危険はありません。操作に関する資格も不要で簡単に操作することができます。また、ディアグは作業船の発電機から電源供給を受けることで長時間動き続けることができます。

     

    水中インフラ点検ロボット ディアグ、コントローラー

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  5. 短時間で点検箇所に到達し正確な位置情報を記録

    潜水士は現地で基点からの距離を測りながら点検箇所に向かいますが、水中は水深が深くなるにつれ暗くなることや、水の濁りで視界不良となる場合があるため到達するまでに時間がかかります。ディアグによる点検では、地上に設置した測量器と作業船に装備されるトランスポンダ(※3)によって機体の位置情報をリアルタイムで把握できることから、点検箇所に短時間で到達することができます。

     

    また、機体からラインレーザーを照射してひび割れなどの寸法を計測するとともに機体の位置情報を活用してひび割れのある位置を記録することも可能です。

現在、大林組ではダム全体の構造体の状況を一目で確認できるモザイクマップの作成を視野に入れ、ディアグがダムの壁面を向いたままで平行移動し、記録ができるように改良を進めています。大林組は今回開発したディアグを、ダムや護岸のほか、洋上風車の基礎部分などさまざまな水中構造物の点検に積極的に活用することで作業の安全性を高めるとともに、水中構造物の長寿命化に貢献していきます。

 

ディアグの点検個所や位置確認

ディアグの点検個所や位置確認

 

※1 アクアジャスター
ジャイロ効果(物体が回転することにより姿勢が乱されにくくなる効果)を利用し、水中における揚重作業時に吊り荷の方向を制御する大林組の保有技術。大林組が施工した東京スカイツリー®の建設工事では、同様の機能を持つ「スカイジャスター」を使用し、風の影響で揺れる(回転する)タワークレーンの吊り荷を制御しました

※2 潜水病
潜水した後の減圧過程で生じる障害。減圧症とも呼ばれており、手足の関節部の痛み、息が詰まる、体が動かなくなるといった症状があります

※3 トランスポンダ
無線通信などで使われる無線中継器。作業船から応答信号(音波)を送り、水中にあるディアグからの返答信号(音波)を聞き取ります。音波の往復時間と水中音速から、作業船とディアグの距離を測定します

以上

 

この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
TEL 03-5769-1014

 

プレスリリースに記載している情報は、発表時のものです。