トンネルをつくる人たち Tunnel Construction Professionals

シールドトンネル編

シールド技術部 部長 松原 健太
シールド工法の特色

山岳トンネルや開削トンネルとならび、主要なトンネル工法の一つにシールド工法があります。シールド機という掘削機を使い、カッターにより地盤を掘削し、シールド機後方ではセグメントを組み立ててトンネルを構築するもので、軟弱な地盤から硬質な地盤に至るまでさまざまな地盤に適した工法です。
基本的に発進・到達の基地としてつくられる立坑の構築以外はすべて地中で工事が進められるため、環境への影響が少ないという点が大きな特色となっています。主立った適用例としては、下水道やガス、共同溝、鉄道や地下鉄、道路のトンネルなどが挙げられます。

技術開発の方向性

シールド技術部ではトンネル工事の将来を見据え、工事の主役ともいえるシールド機とセグメントを中心に次に挙げる7つの方向性で技術開発を進めています。

1. より長いトンネルをつくる技術
2. より大きいトンネルをつくる技術
3. より早くトンネルをつくる技術
4. より耐久性の高い高品質なトンネルをつくる技術
5. 楕円や矩形といった円形以外の断面のトンネルをつくる技術
6. 消費電力を低減するなど、より環境に優しくトンネルをつくる技術
7. より少ない人数でトンネルをつくる技術

特に「7. より少ない人数でトンネルをつくる技術」については、あらゆるシールドトンネルの現場で適用可能なシールド自動化システム「大林インテリジェントシールドOGENTS(オージェンツ)」の開発を推進。シールド工事に関わる作業を6つの分野に大別し、それぞれ個別の自動化技術と、それらを統合するメインシステムの開発に取り組んでいます。

シールド技術部 部長 松原 健太
「現場力」と「人間力」を持ち味に

私は、より良いトンネルづくりに向けた私たちの組織ならではの持ち味に「技術力」だけでなく「現場力」と「人間力」があると考えています。

「現場力」とは、現場に即して培われ、発揮される能力のことをいいます。シールド工事の場合、掘削面を直接目にすることなくシールド機によって掘削が進められるので、現在、直面している地山の状態を知るために、シールド機の推力やカッターにかかっている力、掘削された土砂の状況などについて常に観察します。また、測量の結果やセグメントの構築状況などと合わせて勘案し、不具合なく計画どおりに工事が進められているかどうかのチェックをします。日々のこういった作業を地道に繰り返すことによって「現場力」が養われ、我々の持ち味として備わっていきます。

私は工事を進めるためには関係するすべての人が協力しあう団結力が必要だと考えています。トンネルづくりには、私たち職員以外にも発注者や地域に暮らす人たち、協力会社などさまざまな人々が関わります。安全に、誰からも喜ばれるトンネルを完成させるには、そのすべての人とコミュニケーションをしっかりとることが大切です。こういった高い「人間力」も持ち合わせていることが我々の強みであり、その結果は多くの実績に表れているといえるでしょう。

来たるべき未来へ向けて

大林組には社員が率先して現場に立って作業員と一緒に工事に取り組むという社風があり、場数を踏みながら知見を蓄えてそれぞれにステップアップしている様子がうかがえます。
特に若い技術者が着実に育っている実感があるので、これからも継続的に現場に携わっていってほしいと願っています。
個人的には、若い技術者をしっかりとバックアップしていきたいと考えています。若い技術者が経験した技術やノウハウを、たとえば、社外に発表してもらったり、新たな工事に活かしてもらうなど、活躍の場を広げていきたいと思います。

シールド技術部 部長 松原 健太
活躍の場を広げるシールド工事

立坑をつくらずに地上で発進・到達することにより工期の大幅な短縮をもたらしたURUP(ユーラップ)工法や、シールド自動化システムOGENTSなど、新たな技術が生み出され、多種多様な工事が可能になりました。
今後、よりさまざまな条件下での施工が求められると思いますが、これまで同様に着実に前進する努力を重ね、環境に優しく、より品質の良いトンネルをご提供できるよう取り組んでまいります。