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解説

21世紀の情報化時代に対応した放送センター

東京放送が、21世紀の多様化する情報化時代に備えて東京・赤坂に建設した放送センターである。大小16のテレビ、ラジオのスタジオがあり、互いに電磁波の侵入・漏洩を防ぐため、当社と大阪ガスとの共同開発による炭素繊維電磁波シールド工法が採用されている。建物の最上部に設けられた巨大なパラボラデッキは、無線設備が設置され、非常時用のヘリコプターのホバリングスペースと高架水槽の役割も果たしている。喫茶室や随所の吹き抜け、エレベーターに至るまで、建物全体が撮影現場として使えるように工夫が凝らされている。

敷地は15mの高低差があり、さらに地下外壁の形状が複雑なため、山留め工事はOWS工法とNSCソイル工法(鋼製地中連続壁工法)で四周に連壁を構築し、打ち込んだアースアンカーと組み合わせて強固な山留め壁を形成した。355,000㎥に及ぶ膨大な掘削工事では、掘削残土(大型ダンプ35,000台分)の搬出出口が赤坂通りに面した1ヵ所だけという厳しい条件であったが、近隣の方々の協力によりトラブルなく完了できた。

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