写真

復元された旧建物の玄関ポーチ
解説
商都・大阪の原点となる地に建てられた新しいビジネス拠点
江戸時代に米市場として栄えた商都大阪の原点である堂島に、21世紀にふさわしい、オフィスと店舗の複合ビルが誕生した。敷地は、毎日新聞大阪本社(1922〈大正11〉年竣工、当社施工)の跡地である。
基準階ワンフロアの面積は市内最大級を誇り、センターコア方式によりすべての部屋が窓に面した快適な執務空間を実現している。外装は、テキサスピンクの花崗岩を使用して華やかさを感じさせる温かみを表現、開口部にはグリーン系の反射ガラスを採用し、縦連装の端正な姿となっている。内装仕上げについても温かさが表現され、暖色系の大理石、オフィスのタイルカーペットにも暖色が選定されている。
総合設計制度の活用により、建物の周囲に約8,300㎡の公開空地を確保し、敷地西側にはドージマ地下センター(堂島地下街)とつながるサンクンガーデンを設けて梅田ターミナルからのアクセスの向上が図られている。西側広場には、70数年にわたって情報発信をしてきた旧毎日新聞大阪本社の玄関ポーチが復元され、敷地東側には、堂島(御堂のある島)の名前の由来とされる堂島薬師堂が建立されている。新しい薬師堂は三角形の金色をしたガラスを球形に組み合わせた、一見するとモニュメントのようなもので、御堂は円形の池で囲われている。
工事においては、最上階と地下2階に電気室と設備機械が配置されるため、躯体工程以降の工事量が多く、重量物機械などの搬入計画にも苦心した。躯体工事の短縮、仕上工事の早期着手、外構工事、地下連絡通路など、付属関連工事も含め、設備工事の早期着工ができるよう工程管理を行った。
地下工事では、アイランド工法と逆打ち工法を併用。逆打ちのトップスラブを高層棟の地下1階床梁とし、中央部の高層棟地下工事を先行し、周辺地下工事をアイランド工法で後追い施工することで全体工期の短縮を図った。カーテンウォールは、輸送時の品質管理の問題から、フッ素塗装済みサッシ枠とガラスに分けて輸入し、国内サッシメーカーの工場でユニットに組み立て、現場に搬入した。ノックダウン方式に比べると、現場における安全面も含め、施工性に富むメリットが得られた。
大阪都市景観建築賞(大阪まちなみ賞)〈大阪市長賞〉、みどりの景観賞(大阪施設緑化賞)(各2001年)を受賞した。