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解説

日本のエネルギー政策を担う巨大原油地中タンク

石油は、国の命運を左右しかねない貴重な物資であるという観点から、価格変動や供給量の変化に備えて戦略的に備蓄されている。秋田県男鹿半島の南東部にある秋田石油備蓄基地は、地中タンク形式を採用し、西基地に30.5万klタンク4基(うち2基は以前当社が施工)と払出しタンク4基(44万kl)、東基地に35.3万klタンク8基を持つ総備蓄量約450万klの国家備蓄基地であり、当社はこのうち東基地における2基(TK-11、TK12)の地中タンクを他社と共同で施工した。

TK-11、TK-12タンクは、順巻きRC造の側壁、底版で構成され、内径97m、液深48mと、地中式タンクとしては世界最大容量である。

工事は、直径104m、深さ45mの大規模・大深度掘削工事であった。地盤は浚渫による上部埋立層と泥岩を主体とした海成堆積岩から構成され、埋立層には止水を兼ねた鋼矢板とアースアンカー、泥岩層には既設タンクでの実績から親杭・ロックアンカー方式で土留め工を行った。増打ちロックアンカーと掘削面以深の長尺ロックボルトによる変状対策を行い、計画深さまで掘削完了後、底部止水矢板工事、側壁工事、底版工事を行い、完成に至った。

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