写真
解説
使用燃料の多様化を担う石炭火力発電所の建設
相馬共同火力発電新地発電所は、1号機、2号機それぞれ100万kWという国内最大級の石炭火力発電所である。当社JVは、新地発電所第1、2号機新設工事の内、第4工区として貯炭場、重油タンク、ベルトコンベア、遮風フェンスなどの基礎工事を担当した。
発電所全体用地は182ha、うち貯炭場は72haの面積を有している。地盤は沖積層からなる若齢軟弱地盤で、高さ16mまで石炭を積み上げる貯炭場の地盤改良工事には、サンドコンパクションパイル工法、深層混合処理工法、ペーパードレーン工法と載荷盛土、PHC杭基礎など、上部構造物の目的に合った種々の工法を採用した。
石炭を積むパイル部は貯炭場全体で6基あり、幅47m、長さ460〜740mで、85万t(60日分)の貯蔵が可能である。
道床部では、石炭をヤード内に積み付け、払い出しをする設備であるスタッカ、リクレーマおよびスタッカリクレーマが移動できる基礎工事を行い、レールを敷設するための枕木の設置およびバラスト敷固めを行った。6基の道床部の総延長は3,800m以上である。また、貯炭場からボイラーまで石炭を運搬するベルトコンベアの架台基礎も施工した。
石炭粉塵の飛散を防止する貯炭場外周の遮風フェンスの基礎工事では、PHC杭基礎工法を採用。施工距離は2km以上に及んだ。
貯炭場外では、補助燃料となる重油および軽油タンクと防油堤工事や、発電所と貯炭場を隔てる地蔵川に発電所内の重要な連絡橋となる2本の免震式橋梁を施工した。
当社の100%子会社である相馬環境サービスは、同発電所から排出される石炭灰の運搬および相馬市処分場での埋立処分の委託を受け、また表面処理材やソイルセメント混和材などの石炭灰再資源化開発を行っている。

