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解説

最新の情報管理システムによって、巨大プロジェクトの基礎を築く

中部国際空港は、2005年2月、愛知県常滑市沖の海上に開港した24時間離着陸可能なハブ空港である。

当社JVが担当した護岸等築造工事(その4)は、中部国際空港株式会社と愛知県企業庁との施工区分部の仕切堤、およびターミナルビルとその関連施設位置部の埋立を行う工事である。

本工事では、土運船の運航管理に、統合情報化運行管理システムを採用。GPSとパソコン、パケット通信端末を利用して工事事務所と工事用船舶群をネットワークで結び、運行管理に必要な情報交換をリアルタイムに実現するものである。これにより工事用船舶が日本全国どの海域にいても、その位置と運行状況が事務所で把握でき、船舶側では工事用航路や工事区域付近の地図情報ならびに自船位置を確認しながら航行することができ、夜間においても安全な入出域が可能になった。このほか、最新深浅測量システム、汀線測量システム、造成測量システム(GPドーザー)、転圧回数計測システム(GPローラー)、水圧式沈下計を採用した。

施工区域内の軟弱地盤は、サンドドレーン工法により砂杭を通して水を排出し、圧密沈下を促進させ改良を行った。地盤改良部の敷砂工は、深浅測量システムを備えた測量船「たうら」で絶えず砂撒状況を測定し、正確な作業を行った。築堤は、石材を直接投入して行う計画であったが、波により法面が固定せず崩壊するため石材を貼り付けるように変更した。埋立工は、底開式土運船により埋立材を直接投入した後、土運船により運ばれてきた土砂をリクレーマ船により+4.5mまで揚土するもので、早朝5時から深夜にまで及ぶこともしばしばだった。薄層転圧工は、駐機場となるターミナルビルの隣接部で実施した。海面上2.7mから、50cmの厚さで3層転圧する工事だが、半分以上がまだ埋立が完了していない状況であった。材料は一般の埋立材であるため、所定の締固め度が確保できず、全体の半分をセメントにより地盤改良して対処した。

工事期間中は、揚土作業に全力を上げつつ、数多くの試験工事を行ったため、現場は常に緊張の連続であったが、2001年12月に工事は無事完了した。

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