写真

解説

巨大台風に見舞われながら、海底下長距離シールド掘進を達成

中部電力の川越火力発電所は、木曽川、揖斐川、長良川の3河川の河口近くに位置し、クリーンエネルギーである液化天然ガス(LNG)を燃料とする。増大を続ける電力需要に対応するため、燃料効率を飛躍的に高めた最新鋭のコンバインドサイクル発電を導入した3・4号の建設により、総出力480.2万kWの全国有数の発電所が誕生した。当社は、1・2号建設時に四日市LNG基地と川越火力発電所を結ぶ4kmの海底下のガス導管用トンネルを施工した実績を有する。

今回の工事は、4号系列で使用した44t/sの冷却水の放水口と放水路トンネルを築造するもので、四日市港内の環境を守るために冷却水を発電所から海底下トンネルにより導水し、港外(堤防の外)に放流する仕組みである。

1992年10月、工事着工。発電所側の陸上立坑では、工期や工費、打継ぎ目の止水性改善の目的で、円形の地中連続壁を土留め壁とした順巻き工法を採用。土留め壁設置後に支保工なしで掘削を進めることから、地中連続壁の上部35mを剛結継手とした。掘削中の盤ぶくれ防止のため、立坑中央にディープウェルを設置して揚水圧管理を行いつつ、バックホウやクラムシェルで掘削を行った。

約2.6kmの海底下の放水路トンネルでは、泥水式シールド工法を採用。90cm幅が標準であったセグメントを100cm幅として工事の高速化を図った。

放水口は、ニューマチックケーソン工法を採用。ジャケットと刃口ケーソンは気象の影響を避けて陸上で製作し、海上輸送して一体設置した。高圧室内作業となるため、注入による遮水壁やディープウェルなどの減圧対策を行うとともに、大気圧カプセルからの遠隔操作による無人化施工とした。

最後の工程となる放水路の二次覆工では、鉄筋組立ての機械化に取り組み、鉄筋の移送、配筋、結束、鉄筋籠の取り付けを自動化した。これにより、毎日15mのコンクリート打設が実現した。

1997年11月、川越火力発電所4号系列は稼働を開始した。

地図