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  • (奥)スタジアムオーストラリア、(手前)シドニースーパードーム
  • スーパードーム
  • スーパードーム(内部)

解説

建設段階から環境に配慮したオリンピック史上最大級のスタジアム

2000年に開催されたシドニーオリンピックのメイン会場で、開会式と閉会式に使用されたオリンピックスタジアム(スタジアムオーストラリア)と、体操やバスケットボールなどの屋内競技のメイン会場であるシドニースーパードームである。両施設ともBOT方式で建設され、当社は総元請業者としてプロジェクトに参画し、設計・施工を担当した。

スタジアムオーストラリアは、収容人員11万人で、オリンピック史上最大級の規模を誇る。直径280mの円形スタジアムの東西にかかる屋根はスパン297mの大アーチによって支えられており、6万席をカバーできる。屋根面は3次曲線で、ポリカーボネイト板葺きとし、太陽光を通し、軽量設計になっている。

「環境にやさしいオリンピック」をめざしたシドニー大会だけあって、スタジアム建設でも環境に配慮したさまざまなアイデアが採用された。空調はできるだけ外気を取り入れることによって冷房負荷を減らし、雨水はすべて地下タンクに貯めてグラウンドの散水に再利用し、太陽光発電システムやプラスチック廃材を利用した観客席を導入するなど、省エネ・省資源設計となっている。また、現場で発生した廃棄物についてもリサイクル率が90%を超え、環境保全に大きく貢献した。

オリンピック終了後は、全席屋根付きのフットボール競技場に改築されている。

シドニースーパードームは屋内競技のほかコンサート公演なども行われる多目的アリーナで、その特徴は、18本の鉄骨マストを介して屋根の吊りケーブルを支える吊り屋根構造である。また、アリーナに併設された8階建ての駐車場は、南半球最大規模の3,400台の収容能力を持つ。