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おおばや氏とぼく
「森と生きる街」篇

おおばや氏とぼく「森と生きる街」篇

動物園に遊びに来た「ぼく」は、隣に「おおばや氏」(佐藤健さん)がいることに気がつき、声をかけます。

「ぼく」が「何しているんですか?」と声をかけると「意見交換を」と「おおばや氏」が答えます。「ぼく」が「誰と?」とさらに聞くと、「おおばや氏」は「森の賢者 オランウータン氏」と言い、続けてオランウータンに対し「人はどうすれば森と共生できるのでしょうか」と問いながらスケッチブックを取り出します。スケッチブックに描かれたイラストをオランウータンに見せながら「例えば、木を循環利用できる森の中の街……」と、森林資源を最大限に有効利用し、持続可能性と魅力ある暮らしを両立することができる森林と共に生きる街「LOOP50」の建設構想を提案します。

オランウータンは「おおばや氏」の提案を聞くと、どこかに移動し始めます。それを見た「おおばや氏」は「出直してきます」と言います。そこに「おおばや氏(130歳?)」というタイトルと、「彼の名前はおおばや氏。自然との共生を模索中」というナレーションが入ります。企業ロゴと「つくるを拓く」というナレーションの後には、「おおばや氏」はトラにも「森との共生」について意見交換をしようと話しかけますが、トラに吠えられ、思わず「おおばや氏」はびっくりしてしまいます。

LOOP50
森と生きる街構想

LOOP50 「森と生きる街構想」

土地の7割が森林に覆われた国、日本。豊かな森林を保っていくために、木をあえて積極的に使っていくことで、新しい街のあり方を見出すことはできないか。大林組は、森林と共に生きる街「LOOP50」という構想に行き着きました。

森林に囲まれた巨大な街

未来の街、と言われて想像される景色は、科学技術によって生み出された新しい素材からなるものが多いのではないでしょうか。

そんな中、大林組はまったく異なる未来の街を構想しました。周囲を森林に囲まれた中山間地域に、森林から得た資源だけで街をつくり、エネルギーまでも循環させる自立した街をつくる。それが、「LOOP50」です。生活者1万5,000人を対象とし、純木造の高さ120mのだ円状の居住建物(ループ棟)とその中に位置するドーム型のエネルギーセンターで構成されます。

日本は国土の7割が森林に覆われているにもかかわらず、現在は木材輸入国として知られています。戦後、木を伐採しすぎたためにはげ山が目立つようになり、植林を進めたもののその成長を待つ間に外国の木材の輸入を始めたため、国産の木材の需要が低下。結果、森林は十分な手入れがなされず、荒廃してしまったのです。

資源を活用しながら手入れを行うことで、豊かな森林を保ちながら木の恩恵を受けることができないか。そう考えたのが、「LOOP50」の出発点でした。

2つの循環により実現する共生

LOOPという名の通り、この構想は大きく2つの循環によって支えられています。

一つは、森林の循環です。街の周辺の森林では、植林→間伐→伐採→植林という循環を適切に行います。伐採された木材は、主にループ棟の改築に使われます。ループ棟には開口部があり、そこに50年かけて成長した木を使って毎年1区画を増築。同時に、開口部の反対側にある建設して50年が経ち役目を終えた1区画を解体し、これを毎年繰り返します。

もう一つは、エネルギーの循環です。街のエネルギー源は、解体された廃材や製材時に出る端材、間伐材、木皮など。それらをバイオマスプラントで燃焼あるいはガス化などを行って生活のためのエネルギーをつくり、そこで発生したCO2は森林が光合成をするエネルギーとなります。このエネルギー循環が実現すれば、都市ガスを利用した場合と比べて年間1万2,000tものCO2を削減できる試算です。

脱炭素社会を目指す大きな流れがある一方で、あらゆる技術革新によってどこにいても仕事ができるようになってきた昨今。鳥のさえずりや木の香りにあふれた環境で働き、生きる。そんな未来をどこか近くに感じながら、大林組は今日も挑戦しています。

「LOOP50」建設構想
(季刊大林「LOOP50」建設構想)

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