レジリエントシティ04 迫り来る危機に備える

災害や劣化などに
立ち向かうための
テクノロジー

建築物や構造物は、災害による損傷だけでなく、経年による劣化というリスクを常に抱えています。大林組は、予期できない災害や日々進行する劣化に対する的確な備えを独自技術でサポートします。

建物地震被災度即時推定システム

地震直後に建物の被災度推定を行うことで、建物の所有者と利用者の安心を確保できるシステムです。建物管理者による地震時BCP(事業継続計画)対策、建物設計者による建物の被災状況の詳細分析や復旧対策に活用できます。1台の地震計のみによるシステムなので、既存の建物にも容易かつ低コストで設置可能です。

■設計モデルに基づいて自動的に被災度を推定
■分かりやすい結果表示により被災度判定を支援

耐火木造建築技術 オメガウッド

木造部材の外側に耐火層と燃えしろ層を設けた3層構造にすることで、2時間耐火までの木造建築を可能にする技術です。表面が木材の層であることから、木のぬくもりを感じられる建物をデザインできます。中心の木造部材は,汎用材のLVL(単板積層材)をビスなどのつづり材で一体化することにより、2次接着をせずに大断面木材の製作が可能。そのためローコストで大スパンの木造建築を実現できます。なお、準耐火建築物の場合には、耐火層と燃えしろ層が不要のため、中心の木造部材をそのまま現し仕上げとすることができます。

■2次接着を不要とすることで納期も短縮
■木曽のヒノキや青森のヒバなど地域の特産材も自由に選択可能

コンクリート構造物LCC評価システム LCCナビ

新設および既存のコンクリート構造物の劣化予測を行うことによりそれぞれのLCC(ライフサイクルコスト)を評価し、コストも考慮した最適な補修方法を提案するシステムです。構造物の条件や環境条件、補修条件などの諸条件を入力するだけで、構造物の劣化予測とLCCを算出・グラフ化します。

■長期海洋暴露試験データに基づく塩害の劣化予測が可能
■対話型システムで入力も容易

コンクリート構造物の長寿延命を支える材料・工法 スリムクリート ミクストグラウト PVB-S被覆鉄筋(ポリビニルブチラール樹脂を用いた被覆鉄筋)

特殊な養生なしで圧縮強度180N/mm2以上、引張強度8.8N/mm2以上を達成できる、常温硬化型のモルタル材料です。主な構成材料は、セメント系特殊粉体と超高強度鋼繊維。超高強度化による断面のスリム化や緻密化による耐久性の向上、施工の省力化など、さまざまな効果が期待できます。
本技術は、宇部興産(株)との共同開発によるものです。

コンクリートのひび割れ部からの漏水は鉄筋の腐食やコンクリートの劣化にもつながります。ミクストグラウトは、ポリウレタン樹脂と特殊水性エマルジョンを併用して確実に水を遮断する、2液混合型注入止水工法です。施工面の乾湿に関わらず、2液型の樹脂が確実に反応して硬化不良が起こりません。
本技術は、(株)MASUDAとの共同開発によるものです。

ポリビニルブチラール(PVB)樹脂を用いるため、曲げ加工や施工の際、樹脂塗膜に傷がつきにくく、損傷部のタッチアップ補修の労力を低減した防食鉄筋です。被覆の表面に硅砂吹付処理を施すことにより、コンクリートとの付着力が向上します。
本技術は、(株)川熱・朝日工業(株)との共同開発によるものです。

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