島国・日本の海域を生かす
風力発電プラットフォーム
を開発
島国である日本は、国土が狭い反面、四方を海に囲まれていることから洋上風力発電に適しています。大林組は、日本の海域の特徴に合った風力発電のプラットフォームを構築し豊かな海洋で無限のクリーンエネルギーを創出することに挑み続けています。
洋上風⾞の支持構造は、基礎が海底まで到達している「着床式」と海洋に浮いている「浮体式」の2タイプがあり、設置水深に応じて選定されます。大林組は、より低環境負荷で、高効率な洋上風⼒発電システムの開発をめざしています。
浮体式は水深が深い場合に適しており、係留方式としてカテナリー(弛緩)型とTLP型があります。カテナリー型と比較して、TLP型は洋上風⾞を垂直に緊張係留しているので専有⾯積が小さく動揺も小さいため、より安定した発電効率が期待できます。
コンクリートの高い耐腐食性を活かすことで、供用期間中のメンテナンスコストを低く抑えます。形状はセンターコラム型で、動揺特性に優れています。さらに、地産地消できるのも特長です。
コップを伏せた形状で、円筒形の鉛直壁はスカートと呼ばれます。スカートを海底地盤に貫入させることで、洋上風車を強固に固定します。フルプレキャスト化により海上作業が最小化でき、従来に比べ大幅な工期短縮が可能です。
コンクリート浮体とスカートサクションアンカーを常時緊張する係留索。
大林組では、浮体式洋上風力発電の実現に向けた実証実験を積極的に行っています。
従来の着床式洋上風況観測タワーと比べて、同程度の精度の観測を低コストで実現可能な、浮体式洋上風況観測システムを開発しました。
引き抜き抵抗における受働サクションの効果は透水性が低い粘土地盤では認められていたものの、砂地盤では未確認でした。日本近海に多い砂地盤における実証実験を行い、室内および実海域の両方でサクション効果を確認しています。
TLP型の浮体式風力発電システムの水槽実験を行いました。実験で得られた動揺や索張力とシミュレーション結果との整合性を確認しました。