トンネルをつくる人たち Tunnel Construction Professionals

山岳トンネル編

大沼トンネルJV工事事務所 主任  岡崎 雄一

大沼トンネル避難坑西大沼工区工事JV工事事務所 主任岡崎 雄一

「次へつながる仕事をめざして」

正確な調査が工事を成功させる

私は大沼トンネル避難坑建設工事で、主任として現場の監督業務を担っています。工事における工程・資材・施工の管理や安全の確保、施工後の品質確認、発注者との協議、それらに関する各種書類・資料の作成など、現場でのあらゆる業務に関わっています。

工事の内容は主に、避難坑の掘削です。大沼トンネルには、複数の破砕帯(軟弱で崩れやすい地質)、低強度地山、膨張性地山、高圧湧水、酸性湧水、重金属および酸性化を有する地山といった多くの課題があります。避難坑の工事は本坑とは別工事になっており、先行して避難坑の掘削を行うことで、(1)水抜き効果や、(2)地質情報の把握、(3)本坑施工の補助(補助工法、作業坑)といった、本坑掘削のためのパイロットトンネル(先進坑)としての役割を担っています。

低強度地山や高圧湧水といった特殊な地山条件は、突発的な変位(トンネル内の変形)や出水を引き起こし、甚大な事故につながる可能性があります。そのため、地質や地下水の状況を事前の調査により正確に把握することは、工事を安全にかつ遅滞なく進めるうえで非常に重要です。

大沼トンネルJV工事事務所 主任  岡崎 雄一
めざす先はトンネル工事のプロフェッショナル

当現場は山岳トンネル現場としては珍しく、JV職員は現場宿舎ではなく、現場の近くにアパートを借り、そこから通勤しています。働き方改革推進のために、交代勤務で平日に休みを取得する機会が増えるようになってきましたが、宿舎と事務所が離れているため、精神的にもリフレッシュしやすく、心身共に良い状態で工事に臨めていると感じています。

自己研さんとして、入社してから毎年何かの資格を取得するという目標を挙げており、自身のスキルアップにつなげています。将来的には、技術士のトンネル部門を、ゆくゆくは総合技術監理部門の資格を取得し、大林組の職員として恥ずかしくないトンネル屋になれればと思います。

父が土木の関係の仕事をしていた影響で、私も土木、特にコンクリートに興味を持ち、大学では構造学を専攻しました。大林組に入社して今年で6年目になります。入社後、橋梁建設、トンネル建設それぞれの現場を経験し、本社のトンネル技術部を経て、現在の職務に至ります。大沼トンネルに携わってもうすぐ2年。日々の業務にまい進する中で若手から中堅となり、主任という肩書を任されるまでになりましたが、まだまだ経験は浅く、これから学ぶことはたくさんあります。

まずは目の前の現場に誠実に。大沼トンネルの無事故での開通をめざし、現場関係者一丸となって取り組みます。