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解説

ガラスと立体トラスで構築された透明性の高い複合施設

東北新幹線白石蔵王駅の東に建設された白石市文化体育活動センターは、体育館とコンサートホールとを併せ持つ複合施設である。「White CUBE」という愛称で呼ばれるように、全長200mに達するシンプルな直方体で、ガラス張りの非常に透明性の高い建物である。

610席のコンサートホールとバスケットボールコート4面が取れるアリーナを収容する大空間は、幅2.6mの立体トラスによって構築されており、施工にあたってはスライド工法を採用した。壁面のガラスは、DPG工法で構成され、1枚が幅2,700mm、高さ1,200mmと大きなもので、実物大試験により、耐風圧、防水、耐震などの試験を行った。ガラスを固定する金具は、既製品では対応するものがなく、独自開発の特注品を使用した。

世界初となるガラス張りのコンサートホールのステージ上に据えられたパイプオルガンは、建物全体との調和を図った機能的なデザインで、装飾的な要素はほとんどない。アクリル製の座席は、透明感を強調するとともに、残響効果を高める役割も担っている。ひときわ目を引く卵形のティールームは、大架構の梁トラスから14本のタイロッドで吊り下げられている。

コンサートやスポーツなど、市民の生涯学習の場として、またメッセや学術会議、各種コンベンションにも対応できる地域間交流の場として、多くの役割が期待される。

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