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解説

芸どころ・博多を象徴する演劇専用劇場

博多下川端地区に誕生した大型複合施設・博多リバレインは、下川端地区第一種市街地再開発事業(リバーサイト、ホテルサイト)と、下川端東地区再開発事業(イーストサイト)の2つの事業を合体したプロジェクトで、当社が施工を担当したイーストサイトは、演劇専用劇場の博多座を核とし、高層部はオフィス、低層部は店舗となっている。

外装は、中国産御影石とせっ器質タイルがブロンズ色のサッシと金物に調和した落ち着いたデザインで、地下2階で地下鉄空港線・箱崎線の中洲川端駅と直結していることと合わせ、街の顔としての役割も担っている。

博多座は、歌舞伎、ミュージカル、芝居などの演目に対応し、オーケストラボックスをはじめ本格的な舞台設備が完備されている。3層の客席は、舞台にできるだけ近く配置され、どの席からでも見やすい構造で、許容騒音値NC25と厳しい基準値が確保されている。

地下構造体には、当社が開発した地中連続壁工法による鉄骨鉄筋コンクリート造のSRC地中壁を日本で初めて施工した。地下躯体工事には逆打ち工法を採用し、早朝は資材取込み、昼間は鉄骨・躯体工事、夜間は掘削工事を進めた。劇場部分の仕上げは、夏場で無窓階のため連日40℃を超える室温の中での作業となった。

SRC地中壁や逆打ち工法など、技術的に注目される施工方法が多く、劇場の舞台設備が珍しいため、工期中は社内外から多数の見学者の来訪を受けた。

1999年2月に無事竣工を迎え、5月には博多川からの歌舞伎役者による船乗り込み、6月には博多座のこけら落としとして、人間国宝の中村鴈次郎をはじめとする豪華な顔ぶれによる大歌舞伎が大盛況の中で行われた。

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