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解説

近畿圏で最高層の合同庁舎をつくる

大阪中之島合同庁舎は、水都・大阪を象徴する堂島川に面し、堂島川に沿って整備が計画されたスーパー堤防との親水性の高い水辺の空間として設計されている。1階には外部からのつながりのあるアトリウム・情報サービスコーナー・食堂・喫茶などがあり、敷地面積の60%が植栽・石床・池で構成され、親しみの持てる都市空間を作り出している。

工事は、国土交通省による建設CALS(生産・調達・運用支援統合システム)の実証フィールド実験現場として指定を受け、企業間の各種情報を電子化しネットワークを介して交換および共有化を図った。

地下水位が施工地盤面より2mと浅いため、遮水性の高い山留め壁の構築および山留め壁からの出水・変形を防ぐことが不可欠であった。そこで山留め壁施工にはTRD工法を採用し、コンピュータによる山留め壁・切梁の自動計測管理を行った。鉄骨工事では、高所作業を極力減らす観点から、外部足場と外部養生を一体にしたクライミング足場を製作して鉄骨組立てと同時に架設を行った。外装の石・アルミサッシ打込みのPCカーテンウォールでは、高所作業を減らすために、1階にヤードを設け、そこでガラス・アルミ方立の取り付けとシール作業をすべて完了してから所定位置に取り付ける方法を採用した。仕上工事では、約12,000tに及ぶ仕上げ材を効率的に荷揚げするため、インターネット利用の予約管理と移載装置ロボットを利用した自動揚重システムを導入。クレーンによる揚重では、風による荷揺れを防止するため、当社が開発した空中姿勢制御装置「ジャピタス」を採用した。

同庁舎には、大阪高等検察庁・大阪地方検察庁・法務総合研究所大阪支所・国連アジア極東犯罪防止研修所大阪分室・人事院近畿事務局が入居し、近畿法曹界の拠点となっている。

同庁舎は、「大阪まちなみ賞奨励賞(2004)」を受賞した。

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