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解説

浦和駅東口の街づくりに貢献した大型複合施設

ストリームビルは浦和駅東口駅前地区第二種市街地再開発事業で誕生した。パルコをキーテナントとし、シネマコンプレックスやコミュニティセンター、市立図書館からなる大型複合施設である。本プロジェクトは行政と周辺住民が20年以上をかけて基本構想策定に取り組んだもので、当社は、再開発事業の施行者であるさいたま市と協定を締結した特定建築者との建物の設計・施工契約に加え、開発業務の委託契約も締結し、開発業務全体のコーディネートを行った。プロジェクトに国内で初めての本格的な開発型証券化スキームを活用することで、自治体の財政負担を軽減するとともに資金の調達と出資金の早期回収を実現した。

施工においては、敷地4周のうち3方で街路拡幅工事が、残る1方で地下3階の駅前公共地下駐車場工事がほぼ同時期に実施された。さらにJR浦和駅の高架化工事も加わり、周辺への影響を最小限に抑えながら、工事車両のアクセスをいかに確保するかが課題となった。さいたま市と関連事業体により形成される協議会を通じて問題を解決した。

敷地に余裕がない中で資材物流を効率化し、錯綜作業を緩和するため、1階に加え地下1階にも逆打ち作業床を先行施工し、掘削と型枠鉄筋の荷捌きを1階で、鉄骨と外装PC版の荷捌きを外周で、コンクリート打設を地下1階からとして、工事を大きく3つに分けた。地下1階から地下3階の床に450mm厚のフラットプレートを採用、掘削地盤を型枠替わりにコンクリートを打設することにより、型枠工事を大幅に省力化するとともに、一度に大量のコンクリート打設を可能とした。

契約工期の2週間前に引き渡しを完了、2007年10月、浦和パルコがオープンを迎え、新しい街の歴史が始まった。

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