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解説

施工管理に国内初のCM方式を採用

森吉山ダムは、秋田県北秋田市(旧、森吉町)の米代川水系小又川に建設された中央コア型ロックフィルダムで、洪水調節、既得用水の安定供給、灌漑用水や水道用水の供給、水力発電を目的としている。当社は本体建設第1工事の幹事会社として、堤体盛立、洪水吐きほかの工事を施工した。

本工事は、国土交通省東北地方整備局が初めて導入する建設生産・管理システム(CM方式)の適用工事であった。CM方式は、品質の保持、コストの縮減、確実な現場管理の推進、コスト構造の明確化、施工全体の透明性向上を目的とし、監理業務者(CMr:コンストラクション・マネージャー)は発注者の立場に立ち、施工調整を行うものである。

本工事は長期施工であり、2002年3月以来竣工まで10度の夏と冬を数えた。元々雪深い秋田北部であり、12月の初雪から4月の雪解けまで雪との戦いであった。コア盛立に関しては、計画上施工可能日は年間88日しかない。

2007年9月、低気圧による豪雨が発生、ダム上流で200mm以上の降雨となった。当時堤体盛立はほぼ完成しており、仮排水路トンネルで排水しきれなかった流量分をダムに湛水し、結果的に下流への被害を少なくすることとなった。施工中にもかかわらず洪水調節の役目を果たしたことから、ダムの早期完成について地元から多くの期待が寄せられることとなった。

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