写真

解説

「揖斐の防人 濃尾の水瓶」と呼ばれた国内最大級のロックフィルダム―「コンクリート製造名人」で品質の安定を確保―

徳山ダムは、洪水調節、上水道・灌漑などの利水および発電を目的に、揖斐川水系に建設された国内最大級のロックフィルダムで、「揖斐の防人 濃尾の水瓶」と呼ばれる。当社はダムの洪水吐きを他社と共同で施工した。

使用する大量のコンクリートを安定して製造するために、当社が開発した「コンクリート製造名人」を導入。コンクリートの品質を確保するための設備で、現場プラントとしては初めての適用であった。ダム用には、水の量が少ない硬練りのコンクリートが用いられるが、品質を左右するのは水の量。特に、砂の表面に付着した水分を正確に把握することが重要となる。砂を水に浸した状態で質量と容積を量る水浸式計量を採用したことで、砂と水の量を正確に計量でき、安定した品質のコンクリート製造に大きく貢献した。最終的に、当社担当以外の徳山ダム関連工事にも、約22万㎥のコンクリートを供給した。

2008年3月、工事は無事終了。ダム建設により、旧徳山村全村(466戸)が水没することになり、ダムによってできた人造湖は徳山湖と命名された。

ダムは、完成後早速その効果を発揮。2008年9月の西濃豪雨では、洪水調節により、下流大垣市付近でダムがなかった場合に比べて水位を約1.2m低下させることができた。2009年8月から11月までは過去30年で2番目に少ない降雨量で、本来であれば揖斐川本川は断続的に枯れる状況であったが、ダムの維持放流により流量を確保することができた。

地図