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解説

径の異なるシールドを地下で地盤改良なしで接合させる世界初の難工事を実現

東京臨海高速鉄道りんかい線は、新木場と大崎を結ぶ鉄道新線である。当社は大井町駅とその線路部を地下に築造する工事を他社と共同で担当した。

工事では、シールド工法により道路下に線路とホームが入る大きさのトンネルを、並行して開削工法により改札やコンコースなどの駅部をそれぞれ構築し、最後に二つの工事を連結した。

線路部の工事では、隣接工区(大崎側)のトンネル径が7.3m、当社工区(駅部)のトンネル径が10.3mと差があった。通常なら2台のシールド機を使うところを、隣接工区で発進したシールド機(子機)を、当社工区で待機していたシールド機(親機)の中に挿入合体させて、「親子シールド機」に組み立てて掘進した。この工法は世界初の試みであった。また道路幅が狭く、上り線と下り線を横に並べることができないため上下に配置した結果、2本のトンネル間の離隔はわずか80cmであった。掘り進んだ親子シールド機は、隣接工区(品川シーサイド側)の径の異なるシールド機と地中で接合。これも世界初の試みであったが、無事に成功した。

駅部と線路部の連結工(3ヵ所×2段)では、地層の地下水圧が非常に高く、出水の恐れがあったため、薬液注入工法によって十分に土を固めたうえで、人力で駅部と線路部の間の壁を掘削、セグメントを一部解体して連結が完了した。

大井町駅周辺は道路幅が狭く、地元からは「このような場所に地下鉄の駅を新たにつくることができるのか」という意見もあったが、無事完成させることができた。

当シールド工法の特徴

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