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解説

重厚感のある特徴的な外観が存在感を放つ高層オフィスビル

マレーシアの首都クアラルンプールの中心部で、ひときわ特徴のある外観を持つのがケワラムオフィスビルである。当時、同国ではまだ例のないPC版打込みによるイタリア産御影石の多面形外壁が、より存在感を高めている。

敷地地盤の条件は比較的よく、山留め工法は親杭横矢板と2段のアースアンカー工法が用いられた。ただし隣接するオーストラリア大使館側はアースアンカーが使えないため、アイランド工法によって切梁を架けて施工した。躯体工事は、リフトコアウォール部をスリップフォーム工法で先行打設し、一般床部はテーブルフォームで施工した。十分な天井高を得るためにアンボンド工法が用いられたが、日本ではなじみのない工法が現地で当たり前に行われていることは新鮮な驚きであった。

外装の仕上げ工事は発注者が選定したノミネートサブコンストラクターが行う契約となっており、メインコンストラクターである当社は、施工図のチェックおよび工程管理に専念することになった。これは設備工事でも同様で、すべて石仕上げの各階のリフトロビーの施工では複数のノミネートサブコンストラクター間の工程調整に苦労した。

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