チップクリート緑化工法

木片チップを用いたリサイクル緑化

伐採材などのチップをセメントミルクでコーティングし、チップクリートとして固結させます。「チップクリート緑化工法」は、急斜面の表面保護と環境保全を目的に、チップクリート層を法面に造成します。緑化方法は、郷土種などの育成が目的の植生基材を吹き付ける方法と草刈り管理などの軽減が目的のチップクリートを露出する方法があります。 これまで緑化が困難とされてきた強酸性土壌、亀裂の少ない岩盤の斜面やコンクリート面で植生が永続します。また、植物の生長を抑制しつつ、斜面の侵食を防止することも可能です。

植生基材を吹き付けた例
植生基材を吹き付けた例
チップクリートを露出させた例
チップクリートを露出させた例

特長・効果

1.急斜面の強酸性土壌、コンクリート面や無亀裂岩盤面でも植生が生育します

●植生基材を利用すると早期緑化ができます。
●チップクリートには、斜面から浸出する酸性水を中和する作用があります。
●連続した粗空隙に根が進入でき、強固な根掛かりが形成されます。

2.草刈り回数の低減で管理手間を減らします

●チップクリートは排水性が高いため、植生基材がないと植物は育ちにくい状態になります。
●草刈り面積が大幅に減るので、管理費用の低減効果が期待できます。

3.建設副産物をリサイクルできます

●従来は産業廃棄物として処分してきた伐採材を有効利用して、その処分費用を削減できます。

4.地球環境の保全にも対応します

●セメントミルクでコーティングされたチップ(チップクリート)は分解されにくいので、チップから発生する炭酸ガスを低減します。

強酸性水が侵出して植物が衰退した場所にチップクリート敷設(斜面のグレー部分)
強酸性水が侵出して植物が衰退した場所にチップクリート敷設(斜面のグレー部分)
敷設面に植生基材を吹き付けてから4カ月後。チップクリート部分が緑化されました
敷設面に植生基材を吹き付けてから4カ月後。チップクリート部分が緑化されました
「チップクリート」は大林組の登録商標です。