2段タイ材地下施工法

既設岸壁を供用しながら機能強化や耐震補強を図る

2段タイ材地下施工法は、船舶接岸や荷役作業を妨げずに、経済的に岸壁を補強する工法です。
下図のように、既設岸壁の背面に控え杭を打設した後、陸上から斜めに削孔してタイ材(張力で強度を持たせる構造部材)を新設し、新旧2段のタイ材で外力を分担させて補強します。 耐震補強、水深や荷重の増加に対する機能強化などを図れるほか、新たに岸壁を構築する従来工法に比べ、工事費を20%削減、工期を20%短縮できることもメリットです。

■共同技術開発:国土交通省東北地方整備局、大林組、日本港湾コンサルタント
■共同研究:港湾空港技術研究所、大林組、日本港湾コンサルタント

特長・効果

1.施工中も船舶接岸や荷役が可能

●陸上削孔の施工場所が岸壁から離れており、荷捌き地を占有しないので荷役を妨げません。
●海中施工は新設タイ材の取付けだけで、作業範囲が狭く期間も短いため、船舶の接岸を妨げません。
●長期間にわたって稼働休止できない岸壁の補強工事に最適です。

2.工事費を20%削減

●既設の前面矢板を有効に再利用し、新たに設置するのは背面の控え杭とタイ材だけです。
●既設岸壁の前面海域に新たな岸壁を構築する従来工法に比べ、工事費を20%削減できます。
●岸壁の使用休止に伴う経済的損失がありません。

3.工期も20%短縮

●海中作業が少なく、陸上の掘削、埋戻しも推進機設置用の狭い範囲ですみます。
●従来工法のように新たな岸壁を構築しないので、工期を20%短縮できます。