AE法を利用した岩盤に係る測定技術
超音波計測技術を利用した岩盤損傷判定および岩盤物性評価
アコースティック・エミッション(AE)は、材料内部に蓄えられたエネルギーの一部が音響パルスになって伝播することから、材料内部の組織構造変化やダメージの度合いを把握する有力な手段になると期待されています。当社では、AEを利用して「岩盤内構造物の掘削時に発生する空洞周辺のゆるみ域を測定する技術」および「岩盤内構造物の設計外力に用いる岩盤初期地圧を簡便に測定する技術」を開発しました。

特長・効果
1.AE法を利用した岩盤ゆるみ域測定技術
1.低コスト
●計測機器(AEセンサ、プリアンプ)は回収できます。
●計測機器の使い回しができます。
●AEセンサとプリアンプを防水型保護治具に内蔵することで廉価版の機器が利用できます。
2.リアルタイムモニタリング
●複数の計測機器を配置することで、AEの発生位置をリアルタイムで把握できます。
●それぞれのAEセンサ近傍で発生するAEの頻度、規模、周波数をリアルタイムで評価できます。
3.ゆるみ域の2次元、3次元描画
●AE発生位置、発生規模および当該岩盤の波動減衰特性からゆるみ域を2次元、3次元的に表示できます。
4.従来計測との違い
●ひずみ、応力計測は設置点を評価しますが、AE測定は面的、立体的な岩盤挙動を把握できます。
●超音波探傷試験は対象物に発振し既存ダメージを測定しますが、AE法は外力変形した際に生じる、逐次変化するダメージを測定できます。
2.AE法を利用した岩盤初期地圧測定
1.試験の簡便性
●室内で測定ができます。
●岩石一軸圧縮試験に準拠して測定できます。
●AEセンサ1チャンネルで測定できます。
●2次元、3次元主応力が算定できます
2.低コスト
●岩石コアが採取できれば測定ができます。
●原位置試験法のように大掛かりな装置は必要ありません。
3.迅速性
●岩石採取から5日以内に初期地圧測定ができます。
●可搬型圧縮試験機を利用し現地で測定できます。
4.原位置試験法との相違
●岩石コア採取以外、現場の拘束はありません。
●採取コアから任意の方向の初期地圧成分を測定できます。
●採取コアの状況をリアルタイムで判断できます。
5.規格化
●ISRM(国際岩の力学連合会)でSuggested Methodになっています。
●日本工業標準調査会標準部会土木技術専門委員会標準情報(タイプⅡ)として公表されています。



