環境に優しい底泥処理システム(水面下の大気圧工法)
浚渫や固化処理をせずに原位置で底泥の減容化及び地盤強度の増加を図る
水面下の大気圧工法は、浚渫や固化処理を行わないで改良対象区域の水底に気密シートを敷設して、真空ポンプなどの真空設備を用いて地盤内を真空状態にし、原位置で底泥の減容化および地盤強度の増加を図る工法です。
本工法は、従来、陸上部の地盤改良工法として用いられていましたが、水平排水材の仕様・構造、気密シートの端部処理方法を開発することにより水面下での適用を可能にしました。 なお、本工法は、第3回国土技術開発賞を受賞しました。

特長・効果
1.掘削土砂の処分が不要
●浚渫や固化処理を行わず、現位置で底泥を処理するため、掘削土砂の処分地を確保する必要がありません。
2.環境に優しい底泥処理
●地盤を乱さないで施工するため、水質汚濁や臭気がほとんど発生しません。
3.コンパクトな設備
●常時使用する施工機械は真空ポンプなどの小型の真空設備であり、浚渫船や中間処理施設などの大型の施工機械は必要ありません。
4.狭い作業スペース
●施工機械を搬入するための運搬路の整備や広大な作業スペースを必要としません。
5.浮泥の改善、改良
●真空圧の作用により浮泥の改善が図れ、施工後の水質汚濁がほとんど発生しません。
6.原位置での封じ込め
●富栄養化したヘドロや重金属などを含有している底泥に対して、場外に搬出することなく、原位置で封じ込めができます。