マルチプルナットバー

地下構造物のRC壁補強技術

地下構造物における外壁の面外方向補強は地盤改良に頼っていました。しかし、地盤改良は地上の条件や深度などによって難しい場合があります。
本工法は、地盤改良に頼らずに外壁をあと施工によりせん断補強筋を補い構造的に補強してせん断破壊を防止し、耐震性を高めます。
この工法に用いるせん断補強筋はマルチプルナットバーという両端部に独自の機械式定着具が付いた高強度のせん断補強筋を使用します。

特長・効果

1.小型化された機械式定着具

●マルチプルナットバーの両端部には多段の機械式定着具があり、外径が小さくなりました。
●機械式定着具が小型化されたため、削孔径も小さくて済みます。削孔スピードも速くなります。

2.高強度せん断補強筋

●マルチプルナットバーの母材には高強度のせん断補強筋(PC鋼棒)を使用しています。1本当たりのせん断負担が鉄筋を使用した場合に比べて大きくなります。
●従来の鉄筋を挿入する場合に比べて削孔本数を最大で約40%削減できます。工期短縮とコストダウンが可能となります。

3.補強効果

●マルチプルナットバーをあと施工すると、地震時におけるせん断破壊を防止できます。
●せん断破壊を免れた後は、通常の鉄筋コンクリートとほぼ同じ変形性能となります。

4.外部評価

●本工法は一般財団法人土木研究センターから建設技術審査証明を取得済みです。

「マルチプルナットバー」は大林組の登録商標です。