小型ウォータージェットシステム

低騒音および使用水の回収による非飛散型切断工法

建物の耐震補強や改修などのリニューアル工事では、既存のコンクリート（仕上げモルタル層、嵩上げシンダーコンクリート層など）へのはつり、切断、溝切り、穴あけ作業が多く発生する。従来、コンクリートの加工作業には、電動ピッチングマシンやカッタなどが使用されてきましたが、激しい振動や騒音が発生するため、工事周辺あるいは建物居住者などへの環境対策が必要でした。一方、一部では高圧ウォータージェットを利用した効率的な作業も実施されていますが、ほとんどの場合が大型の機器を使用するため、高騒音の発生、作業場への水の飛散、作業動線の煩雑さなどがあり、簡易に使用することができませんでした。
本ウォータージェット装置は、作業性能を維持しながら低騒音、低振動、小型・軽量化を図り、使用水を回収する非飛散機構を導入しました。これによって、極めて低騒音、低振動でコンクリート部材の加工が効率良く実施できます。騒音、振動の発生を嫌うリニューアル工事への適用が可能です。

特長・効果

１．システムの構成と仕様

◎本システムは以下の装置とユニットで構成されます。
・超高圧ポンプとモータ駆動ユニット
・ノズル移動ユニット
・研磨剤搬送装置
・真空型水回収装置 コントロールユニット

２．作業効率の向上

●ノズルヘッドをさまざまな速度で自由に移動させられるため、作業状況に応じた対応が可能です。
●圧力、ノズル移動速度、移動回数から、溝切深さを高精度で確定できます。
●遠隔自動操作によって作業が進められるため、作業の安全性が図れます。

３．現場のあらゆる環境に配慮したシステム

●ポンプは汎用200V電源ですべて稼働するため、エンジン音などの高騒音は発生しません。
●ポンプの回転数を下げることで、システムから生じる騒音、振動も大幅に低下できます。
●使用水をすべて回収するため、作業現場への水やガラなどの飛散を防ぐことができます。
●システムが小型、軽量であるため、作業現場に搬送して作業ができます。 （搬送時にはポンプとモータが分離でき、エレベータに載るサイズまで分割できます）
●各種のノズル移動ユニットを適用できます。 （直線型、環状型）