スーパー板壁工法
壁倍率10倍強の板壁
今般、伝統的木造建築(社寺および大規模木造建築)における板壁で、国内初の板巾1間で平均壁倍率※10倍を超える(最大耐力 125KN〜140KN)という、一般的な落とし込み板壁(壁倍率0.6)と比べて画期的な性能を有する木造板壁を開発しました。この工法により外壁面での間口開口率の拡大が可能となり、新築および既存建物の耐震補強に大きく寄与することになります。これからの伝統的木造工法の新工法として大変有効です。
なお、本工法は、弊社と中村建築研究所、社寺工舎(菊池恭二棟梁)が、東京大学大学院農学生命科学研究科の稲山正弘准教授の技術協力を得て開発したものです。
※壁倍率:地震や風圧への壁の強さ(耐力)を示す数値。1mの壁幅で200kgfの水平荷重に対する耐力があれば、「壁倍率1倍」とされる。
特長・効果
1.高い剛性と耐力
●板壁間および外周枠組との間の力の伝達機構に着目することで、高い剛性と耐力を発揮します。
●公的機関一般財団法人日本住宅・木材技術センターにおける実大実験において、上記の耐力を確認しました。
2.プランニングにおける高い自由度
●伝統的木造建築において、従来は外周および内部に耐震要素として多くの壁を設置する必要がありました。
●本工法を採用することにより、板壁の設置個所数を低減でき、使い勝手の良いプランニングが可能となります。
3.木造建築への汎用性
●伝統木造建築以外にも、柱サイズが6寸(180mm)角以上であれば、木造建物の新築や既存の耐震補強にも使用可能で幅広い適用性を有します。
4.コストパフォーマンスの高さ
●板壁仕上げ材として見せる場合、従来と同等のコストでありながらトータル性能が優れた板壁となります。
5.環境に優しい
●柱脚部以外には構造用金物を一切使用せず、環境負荷を低く抑えることができます。