免震用多段型摩擦ダンパー

大容量で水平2方向対応型のダンパー

多段型摩擦ダンパーでは、加圧板とアーム板を交互に積み重ねてボルトで締め付けます。加圧板側には産業機械用の特殊樹脂製ブレーキパッドが埋め込まれ、アーム板側にはステンレス薄板が貼り付けられており、アーム板が移動するとブレーキパッドとステンレス薄板の摺動面に摩擦力が生じます。摩擦力の大きさは押し付け力に比例しますが、ボルトの締付け力(=押し付け力)を適切に管理することにより安定した摩擦力が得られます。「大容量化」が可能で、水平2方向の地震の揺れに対しても安定した性能を発揮します。締付けボルトを緩めると摩擦が解除できるので、大地震後に免震層に生じた残留変形を元に戻すことも簡単です。基本的にはメンテナンスフリーですが、万一パーツが損傷してもそのパーツだけを交換することができます。単位減衰力当たりの価格も比較的安価です。

特長・効果

1.減衰力(摩擦力)は500、740、1000kNから、ストローク(可動範囲)は500、600、700mmから任意に選択できます。

2.発生する摩擦力の大きさは、摺動面に作用する押し付け力に比例します。この押し付け力は、ボルトによる締付けで生じさせるため、安定した摩擦力を生み出せます(建物の自重の一部を押し付け力に利用するタイプではありません)。

3.水平2方向の変形に対しても比較的安定した摩擦力が得られます。

4.温度や速度による摩擦力の変動が小さいので、設計の際の地震応答予測もより正確に行えます。

5.締付けボルトを緩めると摩擦力が解除できます(地震によって生じた免震層の残留変形を元に戻すことも簡単です)。

6.基本的にメンテナンスフリーです。

7.単位減衰力当たりの価格も比較的安価です。

摺動部詳細(試験体撮影)
摺動部詳細(試験体撮影)
スリーブ周り(試験体撮影)
スリーブ周り(試験体撮影)