界面活性剤による配管摩擦損失低減

空調冷温水のポンプ動力を削減

配管内の流水に界面活性剤を添加すると、配管摩擦損失が低減されます。これにより、ポンプ動力を削減し、省エネルギーを図ることができます。
界面活性剤の分子は、より安定した分子構造である集合体(ミセル)を形成します。ミセルは球状から棒状へと発達し、配管内の乱流が抑制されるため摩擦抵抗を低減できます。

特長・効果

1.省エネルギー効果

●直管部で30〜80%の摩擦損失を低減します。
●搬送ポンプ動力(=電力量)を削減できます。

2.防食効果

●防食剤を添加していない水に比べ、配管や熱交換器の腐食を抑制します(ほかの防食剤との併用は不可)。

3.安全性

●界面活性剤は、ヘアーリンスや衣服の柔軟剤の主成分でもあり、安全性が確認されています。

4.既設への適用

●大がかりな設備改修を行うことなく、熱搬送動力を低減できます(ポンプ回転数を下げる)。
●配管の改修を行うことなく、熱搬送流量を増強することが可能です(ポンプ回転数は同じ)。
●既設データ収集により導入効果を予測します。

摩擦損失低減効果
摩擦損失低減効果

摩擦損失が低減すると・・・
ポンプ回転数が同じであれば、流量が増えます。
すなわち、同じ流量を得るのにポンプ回転数を下げることができます。

ポンプ回転数を下げれば・・・
例えば、ポンプ回転数が10%下がれば、ポンプの動力は約27%削減され、省エネルギーとなります。

Re(レイノルズ)数:管内の流れの乱れ具合、摩擦抵抗の大きさに関係する無次元数で、Re=VD/ν(V:流速[m/s]、D:管直径[m]、ν:動粘性係数[m2/s])で表される。