免震建物用フェールセーフ技術

積層ゴム支承とソフトランディング装置からなる免震構法

ソフトランディング免震構法は、積層ゴム支承とソフトランディング装置からなる、免震建物用のフェールセーフ技術です。大地震時に免震層に過大な変形が生じて積層ゴムが座屈や破断に至った場合でも、ソフトランディング装置が建物荷重を安全に支持し、かつ、すべり機構による摩擦ダンパー機能が働いてさらなる変形増加を抑制します。
想定を上回る大地震時にも高い安全性が要求される、重要施設の免震建物用フェールセーフ機構に適しています。また、木造建築などの軽量建物を免震化する場合、必要な免震周期を実現するために小型積層ゴム(水平変形能力が小さい)を使用することが多く、強震時に積層ゴムが座屈、破断するおそれが生じますが、ソフトランディング免震構法を適用することで、軽量建物免震の安全性向上にも寄与します。
さらに、ソフトランディング装置として免震建物用摩擦皿ばねダンパー「ディスクダンパー」を兼用させることで、着地時の水平および鉛直方向の衝撃をより緩和することができ、最終的に皿ばねが全密着状態になって積層ゴムの荷重をバックアップします。

図1:通常時
図1:通常時
図2:大変形時
図2:大変形時

特長・効果

1.大変形時に建物がソフトに着地し、積層ゴムの座屈や破断に対するフェールセーフ機構として役立ちます。

2.ソフトランディング後は免震層の減衰性能が増加し、さらなる変形増加を抑制します。

3.コンクリート主体の単純な構造でメンテナンスフリーです。

4.水平全方向の揺れに対応可能です(図3)。

5.ソフトランディング装置としてディスクダンパーを兼用することで、着地時の水平、鉛直方向の衝撃をより緩和できます。

図3:イメージパース