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解説

ガラス張りの巨大アトリウムが輝きを放つ東京国際フォーラムのモニュメント

東京国際フォーラムは、国際コンペによって最優秀作品となったラファエル・ヴィニオリ氏の設計によるもので、大小4つのホール群からなる「ホール棟」と「ガラス棟」から構成されている。このうち当社は、ガラス棟を他社と共同施工した。

世界でも類を見ない総ガラス張りの光あふれる大アトリウムが特徴のガラス棟の大屋根は、全長208mの船底の形で、魚の骨のように鉄骨が連なる構造は直径1.2mの圧縮材パイプと高張力鋼ロッドによる引張材で構成され、3.5m間隔に配置されたリブ材によって形状が保持されている。屋根鉄骨2,500tの重量を支える2本の大柱は、高さ50m、直径1.3〜4.5mの2重管構造で、応力の大きな柱頭、柱脚などの部分は建築材としては初めて耐火鋳鋼が使用されている。壁面にはスレンダーな部材で外力に対抗させるケーブルトラスを採用し、弓と同じ原理で風圧力や地震力に耐える構造になっている。鋼材の接合はすべて溶接で行い、溶接長は250kmに及んだ。

工事のハイライトとなったのは大屋根のジャッキダウン。44基のベントで支えられ地上42mの仮設ステージ上で組み立てられた大屋根を、20基のジャッキにより1mm単位で変位を調整しながら2本の大柱に荷重を移行して、前例のない2支点へのジャッキダウンは無事終了した。

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