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解説

品川駅東口再開発地区のエントランスゲートとなる複合ビル

JR品川イーストビルは、JR品川駅東西自由通路の東側出入口に建つ、オフィス、商業施設、公共施設などからなる複合ビルである。外観は品川駅東口の玄関にふさわしいシンボリックなものとするため、東側を横連窓により水平ラインを際立たせ、腰部分の御影石により重厚さと安定感を表出している。低層部内側のガラスカーテンウォールは店舗の賑わいを創出し、品川駅寄りに吹き抜けのあるオフィスエントランスを設けている。

地上部は鉄骨造ラーメン構造とし、主柱は高強度コンクリートを充填したCFT柱で、耐久力の向上を図っている。制震部材としてアンボンドブレースを採用し、地震時の揺れを低減している。

2階部分に1日約20万人が利用する東西自由通路を抱え込んだ中での工事であり、利用者の通行を妨げずにいかに進めるかが施工上の大きなポイントになった。まず仮設自由通路を山留め工事の進捗に合わせて切り替え、直下で地下29mまで掘削、地下躯体を順打ちで施工、2階床までの工事を完了させ、早期に自由通路を本設仕様で開通させた。仮設自由通路直下の鉄骨建て方には、当社が開発したノンブラケット方式のウィングビーム工法を採用し、工期短縮と安全確保を実現した。

新幹線に近接しているため、飛来落下による事故防止に特に留意するとともに、列車が通過する際に巻き起こる風の影響や架線接触による感電事故防止についても重点的に対策を行った。本工事と同時期に進行していた新幹線品川新駅の工事とは緊密な連絡・調整を取りながら施工した。

2004年3月、品川駅東口再開発の締めくくりとして、JR品川イーストビルはグランドオープンを迎えた。

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