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解説

再開発により洗練された都心の街区として完成した高層複合ビル

住友不動産飯田橋ファーストタワーは、JR飯田橋駅北側の後楽二丁目西地区第一種市街地再開発により誕生した、マンション、オフィス、多目的ホールなどからなる高層複合ビルである。隣接して同東地区再開発で先に完成した飯田橋ファーストビルがあり、両者の調和を意識した設計となっている。外装はリブ形状の花崗岩打込みPCマリオンとアルミカーテンウォールで構成されている。防災備蓄倉庫、防災井戸、災害用電源および仮設トイレも整備され、災害時は防災拠点として機能する。西側には植栽された広場が設けられており、四周の道路は都市計画に合わせて架線の地中埋設化、拡幅などのインフラの再整備が行われた。

敷地の制約と工期短縮のために躯体工事では逆打ち工法を採用した。地上工事と地下工事の進捗状況によって、建物部分の荷重が地下水による浮力を下回らないようにすることを最重要管理事項として施工を進めた。

敷地は旧武家屋敷跡地であったため、着工後に改めて埋蔵文化財調査を行うことになり、1年以上の工事中断も予想されたが、本工事と調査を並行して進めることで対応し、2ヵ月の工期延伸にとどめた。

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