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  • 手前から、衆議院第一議員会館、第二議員会館、参議院議員会館(他社JV施工)

解説

PFI事業として進む建替え工事

建設から約40年以上が経過した衆議院議員会館の建替え工事である。老朽化が目立ち、高度なIT化やバリアフリー、環境対策への対応も必要となり、新しい議員会館の整備事業が計画された。設計・施工・運営・維持管理までを15年間のPFI事業とするもので、2005年11月、当社が代表を務めるグループが落札した。施設完成後、当社が代表企業を務める特定目的会社が国土交通省と衆議院から事業委託を受け、2020年3月まで施設の運営・維持管理にあたる。新議員会館と国会議事堂構内の建物が調和したものとなるように、建物の配置、高さ、外観デザインについて配慮されている。

旧議員会館の機能を維持しながら新議員会館を建設するため、全体工期を6つに分けて、解体・新築を繰り返すことで工事を進めていくことになった。また議員会館敷地内で工事を行うため、議員動線・議員車両動線・インフラなどを確保しつつ、建築・土木・設備間の密な連携が必要となった。

旧議員会館は直接基礎であり、その直近を15m掘削する計画であったが、「工事期間中に旧議員会館の耐震性能に影響を与えない」という施工条件があった。そこで地下3階スラブを逆打先行スラブとし、旧議員会館側山留め壁の変形を抑制し、山留め壁と地盤との摩擦力により傾斜地から発生する偏土圧を負担する架構を形成した。

2010年6月に、新議員会館が竣工し、旧議員会館からの引っ越しが行われた。プロジェクトは後半に入り、旧議員会館の解体工事と地下駐車場の建設(Ⅱ期工事)が行われ、最終的に2012年末に完了する見込みである。

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