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#05 SHOJI UCHIDA Photographer

INTERVIEW #05 SHOJI UCHIDA
Photographer

Q:井口監督とは過去にもお仕事をされていますね。

A:井口監督との仕事は大変なことも多いですが、仕上がりは素晴らしいです。その分、いい画を撮らなきゃなというプレッシャーはあります。でも楽しいですね。

Q:今回のCM撮影で、撮影監督として意識された点などはありますか?

A:一番意識したのは撮る時間帯ですね。日の入り直後のマジックタイム(編注:数十分程体験できる薄明の時間帯)から始めて、明け方までを狙っていきました。今回のライティングには炎も使っています。

Q:良い画を撮るために意識されていることはありますか?

A:何を撮るときもそうですが、生っぽくならないことです。これは個人的な感覚で分かりにくいかもしれませんが、現実そのままの雰囲気や空気感をどう消すか。そのために、ライティングには特に気を付けるようにしています。

Q:通称「内田組」というものがあると伺いました。長年実践されているチームでのものづくりについてお聞かせください。

A:最初はいろんな人たちと仕事をしてきたんですが、気付けばもう20年近く同じメンバーでやっています。照明も、特機 (編注:撮影用の特殊機材を扱う仕事) も、撮影チーフもずっと一緒です。自分の家族よりも長い時間を過ごしていますね(笑)。意思疎通ができているし、自分の役割分担をみんな分かっているので、話が早い。映像は一人じゃ撮れないので、大変な仕事になればなるほど、チームワークの大切さを感じます。

Q:今回のような撮影監督としての仕事と、写真家としての仕事で、何か違いはありますか?

A:どちらの場合も同じスタンスで仕事をしていると思います。映像であっても、写真であっても、「動いているものを撮る」というのは変わらないので。一つ言えるとしたら、写真を撮っているときのほうが孤独ですね。映像は関わるスタッフが多くて、みんな家族みたいに和気あいあいと進みます。写真はライティングなども含めて、全部一から自分でつくり上げていくので。

Q:内田さんが写真家になろうと思ったきっかけについて教えてください。

A:最初は映画のカメラマンになりたかったんです。それで高校を出てすぐ、都内の撮影スタジオに入りました。専門の学校へ行っていなかったので、絞りもシャッタスピードも知らないし、フィルムを詰めることもできない。何も知らない状態でした(笑)。ただ、そこは写真も映像もやるスタジオだったので、僕は写真の仕事にも触れて、その中で「写真も面白いな」と思うようになりました。あとスタジオには、有名カメラマンが頻繁に来てたんです。彼らと一緒にものづくりをして、学ばせてもらったことは大きいですね。

Q:内田さんがものづくりをする上で、大切にされている考えを教えてください。

A:どんな仕事にも「ツボ」があると思うんです。この作品にはどんなトーンが適切なのか、監督は何を求めているのか。ここを押せば外さないというツボですね。これを見極めることをいつも意識しています。
そのためには、仕事の経験を重ねていくというのが一つ。もう一つは、写真以外にも、建築などいろんなものを見て、「なぜこれが良いのか?」を考えること。自分なりに見て、考えて、インスパイアされたものを、頭の中にストックしていく。そうして培ったものがあると、イケてるかイケていないかを現場で瞬時に判断できるようになるんです。大変な仕事ほど、時間のないことが多いですからね(笑)。

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