エコルム工法

石積浄化堤を用いた海水浄化工法

閉鎖性の強い内湾域では、陸域からの汚濁負荷が流入することで、富栄養化が進行し、透明度が著しく低下した海域が出現しています。
このように、汚濁が進行した海域内に石積みによって囲まれた水域を創出し、潮の干満や波浪による海水の移動作用と、石積みに付着・定着する生物群による自然浄化作用を活用して、水質を浄化し、豊かな水域生態系を創出します。「エコルム工法」(石積浄化堤)は、赤井一昭氏が発見・命名し、発明した「海洋の空(うつろ)」の技術をもとに、大林組が堤体材料や付帯設備を改良・発展させた水質浄化技術です。

特長・効果

1.自然エネルギーを用いた水質浄化

●礫表面に付着した生物群の浄化機能、すなわち、自然の浄化機能を引き出して活用するので、環境に優しい技術です。
●海水を直接浄化し親水性の高い空間を創出するとともに、生物の生育に好適な空間も創出します。

2.ランニングコストがかからない技術

●水質浄化に用いる動力には、潮の干満や波動などの自然エネルギーを活用するため、動力のランニングコストがかかりません。
●礫の間に捕捉された汚濁物質は、石積みに棲息する水生生物の食物連鎖を通じて分解され、系外に搬出されるので、保守作業は漂着ゴミの簡単な清掃のほかには基本的に不要です。

3.リサイクル材の活用で循環型社会へ寄与

●建設副産物(コンクリート廃材など)を堤体芯材として有効利用することで、リサイクルの向上が推進できます。

工事実績

神戸空港

「エコルム」は大林組の登録商標です。