スカート・サクション基礎

サクションにより地盤に貫入させる新形式海上基礎

スカート・サクション基礎とは、基礎頂版より下方に伸びた円筒形の壁(スカート)を海底地盤中に貫入して安定性を確保する、新形式の海上基礎です。スカートの貫入には、自重とバラストのほかに、スカートと海底地盤面で囲まれた空間の水圧を低減すること(サクション)によって得られる力を有効に活用します。基礎の施工は、陸上ヤードやドライドックにて構築した後に、現地へ浮遊曳航またはクレーン船によって吊運搬するため、海上での作業は基礎の据付けのみとなります。

橋梁基礎への適用イメージ
橋梁基礎への適用イメージ

特長・効果

1.海洋自然環境に与える影響を最小化

●基礎の設置に際して地盤改良、浚渫が不要です。
●基礎のプレキャスト化により現地(海上)作業が少なくてすみます。

2.基礎の据付コストを低減

●水圧差(サクション)を有効活用して貫入するので、打撃力、押込み力などの貫入するための大きな機械や設備が不要となります。

3.供用時の基礎の沈下が少ない

●サクションを用いて、基礎据付時に事前載荷(プレロード)することができるので、供用時には沈下は少なくなります。

4.基礎の傾斜制御、高さ制御が容易

●サクションによって据付時の傾斜を容易に制御することができます。
●供用開始後もサクションによって基礎の傾斜や高さを制御することができます。

5.引抜抵抗力が増大

●基礎を根入れしているため、浮き上がりに対する逆サクション(引抜抵抗)が期待できます。

工事実績

関西国際空港2期事業