火災時における構造物の解析技術

数値解析による高度な耐火性能評価手法

火災時のような高温環境下では、鋼材、コンクリートなどの材料強度の低下によって、構造部材の剛性や強度が低下します。さらに、温度上昇に伴い熱膨張変形が生じるため、構造体には複雑な応力や変形が生じ、終局的には崩壊に至ることが危惧されます。本解析技術は、高温にさらされる部材の温度上昇性状や構造物に生じる熱変形、ならびに高温下における構造耐力(耐火性能)を解析的に予測・評価する技術です。

特長・効果

1.1,000℃を超える高温域までが主対象

●一般的な建築火災では、室内に可燃性のガスが充満した後に爆発的に燃焼する状態(フラッシュオーバー)が生じ、火災室内の温度は約1,000℃に達します。
●近年では、土木分野においてもトンネル火災を想定した耐火試験規格(昇温曲線)が定められています。

2.熱伝導解析

●熱伝導解析によって、上記のような高温にさらされる部材内部の温度分布や温度上昇の時間変動を予測、評価することが可能です。
●本解析では、鋼材やコンクリートの熱伝導率、比熱など、熱特性値の温度依存性を考慮することが可能です。

3.熱応力解析

●熱伝導解析により得られた温度データを用いて熱応力解析を実施することで、構造部材や建物架構の熱変形挙動や構造安全性を予測・評価することが可能です。
●高温時には、鋼材やコンクリートなどの材料強度や弾性係数が低下します。このような材料強度の温度依存性についても、別途実施された高温材料試験の結果を取り込むことで、適切に考慮することが可能です。

工事実績

赤坂Bizタワー