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解説

TBS放送センターに続く「赤坂サカス」のランドマーク

「赤坂五丁目TBS開発計画」は、1994年に当社が施工したTBS放送センターの完成により使命を終えたTBS会館とメディアビル、ライブハウスの赤坂BLITZなどを解体し、約3万㎡に及ぶ敷地を再開発するものであった。計画は業務棟、文化施設棟、住宅棟で構成され、当社は、地上179mのオフィス・商業棟「赤坂Bizタワー」、ライブハウス「赤坂BLITZ」、約1,300席の劇場「赤坂ACTシアター」を他社と共同で施工した。

既存建物解体後の傾斜地での造成工事では、14mの高低差のある段差部分の擁壁として、リブ壁を背面側に配置した「Newスーパーリブ工法」を採用した。アースアンカーや切梁が不要という大きなメリットのほか、山留め壁を地下外壁や基礎杭に転化することで発生土量の削減と都市計画法で定められている擁壁の高さ制限(RC造擁壁では7mが限度)もクリアできた。支保工がないため効率のよい設計、施工が可能となった。

業務棟の外装はアルミカーテンウォールで、南側ファサードには東京タワーによる電波障害の対策としてセラミックルーバーが採用された。1枚35kgの陶磁器製のものを1万枚壁面に取り付けるとあって、安全面が課題となったが、FRPを芯材にして隙間をシリコンで埋める方法で小片割れ落下を防止。モックアップによる耐久試験や破壊実験を行って安全性を検証した後、カーテンウォールとユニット化して取り付けた。

大規模なプロジェクトの工事管理では、連絡事項や図面、設計変更の指示についてリアルタイムでJV職員が情報共有することが必須であり、当社が開発したOC-COMETを利用した現場ウェブサイトを開設。発注者や設計者とのスケジュールや議事録などの情報交換にも役立った。

2008年1月に無事竣工し、既存のTBS放送センターと合わせたエリアは“赤坂に新しい文化を咲かす”という思いを込めて「赤坂サカス」と命名され、3月にグランドオープンした。

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