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解説

日本を代表するオフィスビル「丸ビル」を建て替える

1923(大正12)年に完成した旧丸ノ内ビルヂングは、戦前から日本を代表するオフィスビルとして知られた歴史ある建築物である。当社は関東大震災の被害復旧工事を担当。その後、「丸ビル」の維持管理工事に携わってきた。

阪神・淡路大震災を契機に建て替えが決定され、低層部に旧ビルのイメージを残しながらも、21世紀の国際ビジネスセンターとしての役割を担う超高層ビルとして生まれ変わることになった。

山留め壁には遮水性の高いOWS壁が採用された。さらに既存地下外壁平面と新築躯体の位置関係を見直し、新築建屋位置の移動を提案(西方向に100mm、南方向に50mm 移動)、OWS壁と既存壁の平面的な重なりを避けることにより、地中障害撤去費用の削減を図った。

当工事は当社のゼロエミッション・モデル現場として建設廃棄物の削減に挑戦した。作業員に「マイカップ・マイ箸」の使用を呼びかけることをはじめ、各フロアにリサイクルステーションを設けて、分別を徹底。廃発泡スチロールを再生した植木鉢を現場事務所内で使用することで環境美化を図った。

別途工事となった設備工事は19工事に分割発注され、最盛期には1日当たり2,500人が働く現場で円滑に作業を進めるため、当社が各元請業者間の調整役を果たすとともに、現場所長がプロジェクト全体の統括安全衛生責任者を務めた。

工事終盤には、当初予定にはなかった185ものテナント工事が追加となり、それらも含めた一括竣工に向けて、職員・作業員が一丸となって作業に打ち込んだ。

2002年9月6日のグランドオープンの日には、オープニングセレモニーとして「ギネスに挑戦! 世界最大の1000人テープカット」が、現場職員も参加して盛大に行われた。「丸の内スタイル」をコンセプトとした、格調高いデザインが異彩を放っている。

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