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解説

新横浜駅の改良と複合ビルの新築

新横浜駅周辺の急速な都市化と乗降客数の増加に対応するために、駅部の抜本的な改良を行うとともに、上部に駅ビルを建設し、地下に駐車場機能を整備する事業である。工事は旅客通路の確保と新幹線近接工事の安全対策を最優先して行った。

駅ビル「新横浜中央ビル」は、交通広場と駅施設、商業施設(キュービックプラザ新横浜)、賃貸オフィス、ホテル(ホテルアソシア新横浜)からなる複合ビルである。

新幹線および横浜市営地下鉄への影響と短工期であることを考慮して逆打ち工法を採用、新幹線側と地下鉄側にはOWS壁外部に50mmの防振ゴムを貼り、ビル上層階への鉄道振動の伝播防止を図っている。地下スラブにはサイクルスラブ(サイトPC)、地上外周部スラブのPC化、防護構台のユニット化などの新工法・省力化工法を採用した。新幹線近接工事は、夜間の機電停止時間(深夜0時〜午前5時)に作業を完結しなければならず、特に高架橋直近での巨大な防振ゴム付きOWS鉄筋籠の建込みや直上での防護構台取付は、大がかりなものとなった。

駅部は駅機能を稼働させながら既存駅舎を解体し、全体的に0.7m程度盤下げを行い、2階建ての駅舎を新築するものであった。新横浜駅の利用客数は1日当たり約22万人で、複雑な旅客通路切替は20回を超えた。

大規模な新幹線近接工事、昼夜を通しての作業、旅客通路切替など、安全・工期の面で担当職員には負担の大きな工事であったが、発注者・設計監理者・施工者が一丸となったことで無事工事を完成させることができた。

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