キービジュアル提供:2025年日本国際博覧会協会 撮影:株式会社伸和

2025年日本国際博覧会(大阪・関⻄万博)は、2025(令和7)年4月13日から10月13日までの184日間にわたって大阪・夢洲で開催されました。158の国と地域、7の国際機関が参加し、2,500万人を超える入場者が訪れたこの万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。一人ひとりが自らの望む生き方を考え、それぞれの可能性を最大限に発揮できる持続可能な社会を共創していくことを目指して開催されました。
この理念に共鳴し、大林組は設計や施工、協賛などさまざまな形で携わり、未来社会の価値創造に貢献する使命を担い、技術力と創造力を融合させて関連施設の建設やその先のスマートな都市の実現に挑みました。
このページでは、大阪・関西万博における大林組の未来への挑戦の軌跡を紹介します。

建設DXを加速する、「未来の建設」への挑戦 Challenge 建設DXを加速する、「未来の建設」への挑戦 Challenge

大阪・関西万博の建設現場では、甲子園球場約40個分の広大な敷地で100以上のプロジェクトが同時進行していました。大林組は個々のパビリオン建設に加え、万博会場全体の建設プロジェクトにおける進行や管理を行う統括施工管理者の役割も担当。安全かつ円滑な工事の推進に向けて導入したのが、最先端の建設DX技術です。
渋滞を防ぐために、搬入車両を認証・管理する工事車両管理システムを導入。最大5,000人におよぶ工事関係者の入退場を効率的に管理する顔認証システムは、会場内の人数把握に役立ちました。さらに、気象変化に合わせた工程調整を可能にするAI気象予報サービスを活用し、現場の安全性と工程管理の効率を高めました。
「大屋根リング」と「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」では、BIMモデルとクラウドを連携した「プロミエ®」を用い、部材の製造から搬入、施工までをリアルタイムで把握。部材をQRコードで管理し、精度と効率を両立しました。加えて、自動飛行ドローンによる撮影で現場の点群データを取得し、遠隔からの進捗確認や寸法計測を可能に。これらのデータをデジタルツイン「CONNECTIA®(コネクティア)」に統合し、重機配置や搬送経路のシミュレーションに活用しました。
このように、多様なデジタル技術を投入し、現場管理の効率化、作業員の利便性の向上を図りました。最先端のDX技術は、建設現場だけでなく街の未来をも予感させます。

大屋根リング The Grand Ring 大屋根リング The Grand Ring

提供:2025年日本国際博覧会協会 撮影:株式会社伸和
提供:2025年日本国際博覧会協会 撮影:株式会社伸和
提供:2025年日本国際博覧会協会 撮影:株式会社伸和
提供:2025年日本国際博覧会協会 撮影:株式会社伸和
提供:2025年日本国際博覧会協会 撮影:株式会社伸和
提供:2025年日本国際博覧会協会 撮影:株式会社伸和

会場のシンボルである大屋根リングは、大阪・関西万博の理念「多様でありながら、ひとつ」を表す世界最大の木造建築物です。
構造には、日本の神社仏閣などの建築に使用されてきた伝統的な「貫(ぬき)接合」を現代技術で改良した方式を採用し、耐震性と剛性を確保しました。また、閉幕後のリユースを前提として、事前に組み立て・解体の実大実験(モックアップ製作)を行い、「残す解体」を実践しました。大林組が担当したPW北東工区では、柱材の約50%に四国産ヒノキ、梁材には福島産スギを使用し、国内最先端の集成材工場で加工するなど、日本の林業、森林再生にも貢献する建築物です。
万博会場の主動線として円滑な交通空間であると同時に、雨風、日差しなどを遮る快適な滞留空間として利用されました。

パビリオン Pavilions パビリオン Pavilions

パナソニックグループパビリオン

ノモの国

「解き放て。こころとからだとじぶんとせかい。」をテーマに、子どもたちの感性を刺激し、創造する力を「Unlock」する体験型パビリオンです。パナソニックの使用済みの家電製品から回収した鉄、ガラス、銅などを再生したサステナブル建材を採用して建設しました。
建築家・永山祐子氏がデザインした有機的かつ幻想的なファサードは、約1,400個のユニットを組み合わせて形成。大林組は、実大実験や詳細な構造解析を行い、鋼管を3次元曲げ機で加工したフレームに張られた薄いオーガンジーが風に揺らぐ、この特殊なファサードを実現しました。
また、「ノモの国」で使用された設備機器や建材のうち約30品目180点を、大林組技術研究所(東京都清瀬市)で建設中(2026年3月時点)の実験棟 「オープンラボ3」へとリユースしています。

ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier

女性のエンパワーメントやジェンダー平等をテーマにしたこのパビリオンは、ドバイ万博の日本館で使用したファサードを再利用することで、ファサード新規制作に係るCO2排出量ゼロを実現しました。さらに、パビリオン基礎部分に自社開発の低炭素型コンクリート「クリーンクリート®」を採用し、主要鉄骨材を高炉鉄骨から電炉鉄骨へ置き換えたことで、通常の建設資材を使用した場合と比較し、パビリオン建設全体のCO2排出量を約50%削減しました。
数千点のファサード材の組み立てにあたっては、どの位置でどの部材を使うかをシステム管理し、作業効率化を図るため、自社開発のプロジェクト管理システム「プロミエ」を活用しています。

大林組では、大阪・関西万博のテーマである、他者への共感を育み多様な文化や考え方を尊重することを表明するために、知的障害のあるアーティストの作品をモチーフにしたサイトウェアを制作し、ウーマンズ パビリオンの建設現場から多様性への共感を発信しました。

シグネチャーパビリオン

Better Co-Being

妹島和世氏と西沢立衛氏による建築家ユニット・SANAAが設計した「Better Co-Being」。万博会場中央に位置する「静けさの森」の一角に、周囲の森と溶け合うようにたたずむこの建築には、天井や壁がありません。高さ11mに、4層からなるキャノピー(網状の屋根)が敷地を覆い、地上部にはそれを支える細い柱のみを配置。緻密に設計された柱と接合部により、キャノピーがまるで雲のように浮かびます。風雨を遮る機能をあえて持たず、アートを軸とした体験を行う舞台装置としての役割を果たしました。

Better Co-Being App byみんまちDROP

大林組はBetter Co-Beingのゴールドパートナーとして、パビリオンを中心に万博会場全体で活用できるWEBアプリ「Better Co-Being App」を開発・提供。会場での体験をつなぐデジタルの仕組みを実装し、来場者の共鳴体験をサポートしました。AR技術を活用し、スマホのカメラをかざすことで、各場所で誰かの思いや感動に出会え、つながりや共鳴が生まれるきっかけとなりました。さらに、この取り組みを万博レガシーとして実際のまちへ展開することにより、新たなまちづくりにもチャレンジしています。

PASONA NATUREVERSE(パソナ ネイチャーバース)

「からだ・こころ・きずな」をテーマとしたパビリオン「PASONA NATUREVERSE」における展示「未来の医療 ~リモート操作による空飛ぶ手術室~」において、大林組が開発した天井照明型の手術室照明システム「オペルミ®」を展示協賛しました。
「オペルミ」 は、手術室の天井全面に無影灯(大きな円盤型の手術用ライト)と同等以上の照明機能を持たせた手術室照明システムです。無影灯を用いず、天井そのものを発光させて手術台を的確に照らしながら 、照明の発熱による術者の負荷軽減や、気流の乱れの抑制による感染リスク低減が期待されます 。高出力・高演色の自動シューティングライトと調光・調色が可能なフルカラーLEDの導光板パネル照明を、用途や広さに応じて自由に組み合わせて設置できるため、手術内容や運用に応じた柔軟な照明計画が可能です。また、直感的に操作できるため 、手術の用途や医療機器の配置変更にも柔軟に対応できます。天井吊り式の照明機器を必要としないため、医療機器や設備と干渉しにくく、ロボット支援手術や救急初療室、アンギオ+CTを用いる手術環境などにも適用しやすい照明システムとなっています。
将来的には、 災害時や医療資源が限られる環境での移動式手術室への応用も視野に入れ、多様な医療現場を支える活用方法の検討を進めています。

迎賓館

迎賓館は、世界各国から国王、大統領、首相などの賓客をお迎えし、歓迎、接遇するための施設です。自然光、自然通風、自然素材を使用し、環境性、快適性を両立するとともに賓客に日本らしいおもてなしと感動を感じていただく空間を創造します。

我が国と世界をつなげる「輪の回廊」、我が国の自然を大切にする心を表現した庭園、世界の人々と共有する広い空、そして平明な屋根、それらを和の回廊でつなぎます。

万博から、未来へ。 Future 万博から、未来へ。 Future

大阪・関西万博での取り組みは、未来社会への挑戦の第一歩です。大林組は、建設機械や資材の脱炭素化、スマート建設技術の進化などを通じて、持続可能な社会の実現に貢献し続けます。
この記録は、単なる過去の実績ではなく、未来への約束です。