季刊大林 No.43

「御師」

伊勢参宮は江戸時代、人々がもっとも親しんだ旅行ツアーだった。下層階級の人々の抜け参りや犬の伊勢参り、幼児が一人で参った話など逸話も多く残っている。天明の大飢饉のおりには津軽藩の農民1万人が大挙して伊勢へ行き、約60年を周期としている“おかげ参り”では、宝永2(1705)年の4、5月の2ヵ月間に379万人もが参宮し、文政13(1830)年には1日に14万8,000人が訪れたという、想像を絶するものである。
それはただちに、日本の旅行文化史を考えることにもなると注目し、その旅をプランニングし指導した「御師」(他の講では<おし>と発音するが、伊勢講では<おんし>と読む)を解明し、あわせて民間家屋としては国内最大級といってよい「御師の宿」の誌上復元に挑戦した。
(1998年発行)

三日市大夫次郎邸に見る近世伊勢御師邸建築

菅原洋一(三重大学地域共同センター助教授)

OBAYASHI IDEA

伊勢信仰のシンボリックな建築 御師『三日市大夫次郎』邸の想定復元

建築監修:菅原洋一
復元:大林組プロジェクトチーム

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「伊勢参りと御師」あれこれ

御師

西川順土(皇學館大學名誉教授)

熊野を行く

加藤秀俊(中部高等学術研究所所長)

江戸の旅

「御師」の文献30