季刊大林 別冊

「水景の都市」

水のある美しい景観「水景」は、時代や国を越え、人々の心を捉えてきた。だが、時代がすすむにしたがい、海や川はしだいに人間生活から距離をおくようになり、その美しさも、関心から遠ざかっていった。とはいえ、ふと気づいてみれば、かつて歴史のなかで息づいた水景の実例は、数かぎりなく現存している。それどころか、歴史を手掛かりとして、近代都市のなかに水景を再生しようとする試みも、ふんだんに行われている。
「水景の都市」と題する本号は、そうした問題意識から企画された。都市と水との親密な関係をとりもどす、ひとつの糸口となれば幸いである。
(2009年発行)

グラビア:水と建築

二川幸夫(写真・文/写真家・編集者)

都市と水と人間

法政大学大学院エコ地域デザイン研究所

蘇るイタリアの水辺都市

陣内秀信(法政大学デザイン工学部建築学科教授)

イギリスの都心水辺再生

石上隆(法政大学人間環境学部教授)

ヨーロッパ都市と水の関わり

大江新(法政大学デザイン工学部建築学科教授)

オランダの水辺空間を支える水管理

大隈哲(建築家・日建設計)

破壊と再生のアジア

高村雅彦(法政大学デザイン工学部建築学科教授)

水運 大坂と江戸

石川英輔(作家・江戸文化研究者)

シリーズ 藤森照信の「建築の原点」② 大湊第一水源地堰堤

藤森照信(東京大学名誉教授、東京都江戸東京博物館館長、建築史家・建築家)

「水景の都市」の事典