季刊大林 No.52

「振動」

無意識に脚部を揺すってしまう貧乏ゆすり、電車の揺れ、ブランコの往復運動、心臓の拍動など、揺るぎや振動の現象は私たちの日常の随所に出現している。近年では、地球全体が一定の周期で振動していることも発見されている。その一方で、地震という、私たちの日常生活を脅かす危険のある振動もある。しかし、未来技術に少し夢をふくらませてみると、地震の振動エネルギーを有効に利用するような可能性を見つけることができるかもしれない。
本号では、OBAYASHI IDEAとして、都市そのものを免震化するという新たな試みを発表するとともに、免震技術の歴史や振動の利用例など、あらゆる角度から「振動」を捉え、紹介する。
(2010年発行)

グラビア:振動する世界へ

ニューヨークの振動、生命の律動

福岡伸一(青山学院大学理工学部化学・生命科学科教授)

振動をめぐって フーコーの振り子から高性能免震・制振技術まで

鈴木浩平(東京都立大学名誉教授、首都大学東京名誉教授、日本クレーン協会会長)

事例集:振動を利用する

佐藤勇一(埼玉大学大学院理工学研究科教授)

日本建築の地震備えを考える 地震の間と岡式免震装置を巡って

西澤英和(関西大学環境都市工学部建築学科教授)

OBAYASHI IDEA

「ゼリー免震」都市構想 ―水都・大阪を免震都市モデルに

大林組プロジェクトチーム

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シリーズ 藤森照信の「建築の原点」④ マーサー博物館

藤森照信(工学院大学教授、東京大学名誉教授、建築史家・建築家)

「振動」の雑学事典