OBAYASHI INTERVIEW
#04 NAOKO SAKATA Architect
Q:「LOOP50」について簡単に教えてください。
A:森の近くに森林を基盤とした街をつくります。森の持続性のために、森が成長した分だけ使い、使った分だけまた植えて育てる。さらには街で使うエネルギーも廃材や端材を燃料にしてまかなう。そんな循環をつくることで森林と共生することをめざす街です。
Q:どういった考え方から生まれたのでしょうか?
A:実はもともと、大型の木造建築をつくることが目的ではありませんでした。森と人が共に住み、人の営みに必要なエネルギーを巡らせることができる未来。そのために建築のかたちだけを提示するのではなく、そこで暮らしを営むための仕組みまでつくれないかと考えたんです。木は50年くらいで、建材として使える大きさに成長し、その後は成長速度が遅くなって二酸化炭素の吸収量も減っていきます。木の成長の周期に合わせた使い方をして、森林の持続可能性と山間地域の持つポテンシャルを表現したいという思いもありました。試算の結果、森の成長分だけで都市のエネルギーをすべてまかなえることが分かり、森と共に生きる都市「LOOP50」の構想が出来上がりました。