大林組技術研究所報 No.85 2021

REPORT OF OBAYASHI CORPORATION TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE

株式会社 大林組

ごあいさつ



執行役員
技術研究所長

勝俣 英雄

新型コロナウィルスの新規感染はこの稿執筆時の10月初めではかなり減ってきました。その理由には色々な説がありますが、ワクチンが開発されたという科学技術イノベーションの貢献が大きいことに間違いはありません。東京2020オリンピック・パラリンピックも賛否がある中、まずは無難に開催された、と言えるのでしょう。一方、私たちもテレワークなどのウィズコロナの生活に慣れてきました。コロナ前と比べると多くのコトやモノが変わったことに気が付きます。それでも、デジタルトランスフォーメーション(DX)などは不十分で、企業や私たちも一層の対応が求められています。また、昨年(2020年)に示された政府方針「2050年カーボンニュートラル実現」に向かうとき、エネルギーや材料はこれまで通りには使えないでしょう。

さて、このような変革が必要な時に大林組は創業130年を迎え、新たなブランドビジョンを制定し、「MAKE BEYOND つくるを拓く」というスローガンを発表しました。さらに、これを広く紹介するオンラインイベント「OBAYASHI LIVE SHOWCASE 2021」を開催し、技術研究所も「つくるを拓く」研究所として「ものづくり・環境づくり・つくるの先へ」の視点から研究所の「イマ」を紹介しました。詳しくは弊社ホームページをご覧いただければ幸いですが、時代に先んじて新しいことに挑戦をしてゆく意志を明確にしたものです。技術研究所は設立以来、新たな技術やサービスを開発し、明示的ではなかったかもしれませんが、「つくるを拓く」を実践してきたと思います。

2021年の大林組技術研究所報では「つくるを拓く」技術を次のように特集しました。1)建設分野のDXやロボット施工・3Dプリンター・AI利用・5G通信活用などの「ものづくり」を拓く技術、2)木造建築・道路構造物の更新・グリーンインフラ・低炭素型コンクリートなどの「環境づくり」を拓く技術、3)宇宙関連や苗木生産・安全な水素利用などの「つくるの先へ」を拓く技術、を紹介しています。

一般論文には、第一に建設工事の生産性向上に関する研究を紹介します。柱RC梁S工法や土質遮水の管理手法の革新に関わるもの、新しい杭工法や山留め工法の適用範囲拡大や岩盤掘削工事の安全性を担保しつつ工期短縮に資する解析技術といったものがあります。さらには、Well-Beingへの貢献を目的とした取り組みも示します。生理的データの分析やガス放散解析の研究、新しい除菌装置、防虫研究を紹介します。その他、耐震補修・補強の振動台実験、地震動分野の観測記録に基づく研究や風環境評価、遮音測定手法の合理化研究を報告しています。

アフターコロナの時代がいつ来るかは変異株の流行により、なかなか予想しがたい状況ですが、私たちは、信じる未来に向かって新しいことに挑戦することを止めてはなりません。大林組技術研究所はこれからも「つくるを拓く」を続けてまいります。読者の皆様からさらなるご支援・ご鞭撻を賜りますようお願いいたします。

2021年12月

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