長尺GFRP管鏡ボルト工法「FIT80S」

トンネル切羽補強効果を向上させる工法

トンネル掘削面(切羽)の自立が困難な場合、掘削面から地山にボルトを打ち込んで切羽を安定させる「鏡ボルト工法」があります。FIT80Sは、鏡ボルト工法において、ガラス繊維シートを何層にも巻き付けたGFRP管(巻付け成形品)をボルトの素材として使用するものです。
ジョイント部にはGFRP管にネジ式の金具を直接接着させ、継手部の引張強度を高めています。また、鋼管タイプのボルトに比べて単位重量が約1/3と軽量で、作業効率や安全性が向上することも特長です。
※ GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics)

「FIT80S」で使用するガラス繊維シートを巻き付けたGFRP管
「FIT80S」で使用するガラス繊維シートを巻き付けたGFRP管

特長・効果

1.コスト低減と工期短縮を実現

●ボルト耐力の向上により、切羽の安定に必要な本数を33%減少できます。
●ジョイント部の強化で長尺打設が可能となり、鏡ボルト施工サイクル数が減少し、サイクルごとのラップ長を減少できます。

GFRP管の最良特性比較表

2.切羽の補強効果が向上

●ボルトの継手構造を新開発したことで、従来に比べて約1.5倍(300kN以上)の引張耐力※を有しています。そのため、打設密度が同条件であれば切羽の補強効果が向上します。 ※ボルトの強度は一般的に継手部の引張耐力が用いられます。

3.環境負荷を低減

●引抜き成形品が使用されている従来のGFRP管は、トンネル掘削に伴う撤去の際にガラス繊維が飛散し、掘削土との分別が困難になるという課題がありました。FIT80Sでは、巻付け成形品を使用することで、ガラス繊維の飛散が少なくなって分別収集が容易になり、環境への負荷を低減できます。

撤去の際にガラス繊維が飛散する従来のGFRP管
撤去の際にガラス繊維が飛散する従来のGFRP管

工事実績

新東名高速道路島田第一トンネル上り線
北陸新幹線飯山トンネル(板倉)他1